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バリ島1泊3日弾丸!「ウブド クリーン&グリーン」に参加
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今年最後の海外は、バリ島になりました。
それも、1泊3日の弾丸取材。。。

目的は、ウブド・ホテル協会の創立8周年を記念した清掃プロジェクト、
ウブド クリーン&グリーンに参加するためでした。


羽田深夜発のガルーダ航空のフライトは初めて。
バリ島到着は、7:30。
早朝のバリ島は、聖峰アグン山、アバン山、バトゥール山の
みごとな稜線の重なりを眺めつつのランディング。
メロウな光の夕方の到着もいいですが、
朝のすがすがしいきらめきの中のバリ島もとても美しい。

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ところで、バリ島のングラライ空港はただいま、工事中。
来年のAPECがバリ島で開催されるため、それまでに最新スペックの空港になるべくアンダー・コンストラクション。送迎車が到着・出発ターミナル目の前まで行けないといった不便が生じています。今後、またいろいろと変わることも出てくることでしょう。

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さらに、このところ大渋滞が問題だったDFSギャラリア前のシンパンシウールと呼ばれるバイパス・ジャンクションも地下道路を作るため一大工事中。
夜中にやればいいものを、真昼間に行っているため、当然、恐ろしいほどの渋滞を引き起こしています。ということで、しばらくは空港への移動などは早めにしたほうが賢明です。

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まだ早いので、ウブドに移動する前に、前日にオープンしたばかりの、
シェラトン・バリ・クタ・リゾートを訪問。
お部屋は見られませんでしたが、レストラン、プール、ルーフトップなどを見せていただきました。
すぐ隣が、新しくできたショッピングコンプレックス「ビーチウォーク」なので、これからクタの中心的存在になりそうです。

お世話になった方のオフィスにうかがい、
あれこれとおしゃべりしていたら、あらら、すでに11時近く。
ということで、そのままちょっと早いランチを、ということで地元ご用達のバリ・ベーカリーへ。やっぱり、あそこはなごみますね。



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ゆっくりランチを終えて、ウブドへやっと移動。

1泊3日の弾丸アーということで、主催者さんのご配慮。
貴重なウブドステイは、なんとロイヤル・ピタマハ
ウブドのスカワティ王家が所有する高級リゾートです。
うれしー。
コンテンポラリーなデザイン系リゾートが急増するなか、
伝統的なバリニーズスタイルのヴィラは、どこかほっとなごみます。
バリ島は、やっぱりこうじゃなくっちゃね。

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結局、入る時間はありませんでしたが(涙)、プールヴィラをいただきました。
外には、こんな贅沢な広さのプールと、ウブドの肥沃な熱帯の風景。
渓谷の高みにあるプールの先をのぞくと。。。

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それこそが、ロイヤル・ピタマハの真骨頂。
谷底にアユン川にそった所有地が広がるドラマチックな眺望。
ここには湧き水をたたえた池があり、聖なる場所としても有名。
ラフティングのゴムボートが嬌声をあげながら、アユン川を下っていくのも見えます。



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そして夕方、関係者とおちあって、向かったのがサマヤ・ウブド
翌日に行われる「ウブド クリーン&グリーン」を主催する、ウブド・ホテル協会の現会長ワヤン氏がホテル・マネージャーを務めています。夕食を共にしながら、インタビュー。

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この夜は、バリ島でのお祝い時などにいただくリスタフェルというバリ料理があるというので、全員、迷わずチョイス。暗いので、きちんと撮れていませんが、ブルングバリ(バリ風海藻サラダ)、ヤングパパイアとエビのスープ、口直しのソルベと続き、サテ、ラワール・パク(野菜のつけあわせ)、ベベック・ベトゥトゥ(アヒル料理)、べアワン・サンバルマタ(ツナのスパイス添え)といった料理の盛り合わせがどーんと登場。三角に盛られたナシ(ごはん)は、おイモ入り。

そして、このレストランがかなり美味しいことに感激!
伝統的な料理ばかりですが、非常に繊細な味に仕上がっていてシェフの技量を感じさせます。きっとほかのメニューもおいしいだろうと思わせて、期待できそう。
また、来訪したい1件にリスト入りです。

お伴は、最近、にわかに美味しくなってきたバリ島産のワインをチョイス。飲み比べましたが、ハッテン・ワインのTwo Islandがなかなかいけるということで満場一致(笑)。
かつてのハッテン・ワインはあまり好みではありませんでしたが、Two Islandは豪州・南オーストラリアのブドウを使用。しっかりドライで、料理にもあいます。

インドネシアは輸入アルコールの関税が高いため、気軽にシャンパンやワインを開ける気になれないところがありました。でも、ハッテン・ワインなら国産となるため、今までの半額程度でオーダー可能。これからは、ダイニングシーンに欠かせない存在になりそうです。


夕方になると雨が降るバリ島。

翌日のイベント時には、絶対、晴れてほしい。
そんな我々の願いをバリ島の神さまたちに届けつつ、しばらくぶりに会った友人、知人たちと一緒に、しっとり艶やかなウブドの夜を満喫。
それにしても、ガルーダの羽田深夜発、バリ島早朝着のフライトは1日がたっぷり使えていいですね。9時過ぎからぐっとすごくなる渋滞の前に、ウブドや北部まで一気に移動できるメリットもあります。


と、そんなこんなで、まだ初日とは思えないディープな1日が終わっていきました。

<続く>
by naoko_terada | 2012-12-17 17:10 | トラベル | Trackback | Comments(0)
ウブドの公開火葬 〜王家火葬場へ その2〜
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この日の葬儀のスケジュールでは、
午後4時前後に火が放たれ、その後の諸々の儀式を含め、夜10時にはすべてが終了予定でした。

ところがとんだ誤算が。

あまりにも重かったのです。
スヤサ氏の巨大なランブーが。

それまでは台車を使い、村人が引っぱっていました。
でも、最後にステージに乗せるために台車をはずして持ち上げようとしたら。

持ち上がらない。。。

全員がかけ声にあわせ力を込めますが、まったく、動きません。

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いやぁ、ここからが本当に長かかったです。
もう修行というよりは苦行。
ランブーをかつぐ村人たちもなんだか緊張と興奮がさめてしまったようで、
急にいつものようなダラダラなバリニーズに戻ってしまっています。
さっきまでのいなせな態度とは大違い、モチベーション一切なし。

わたしも含め、大勢のギャラリーは待つこと3時間。
すでに場内は人で満杯、身動きすることも座ることもできない状態です。
太陽はすっかり西に傾き、夕暮れが近づいています。
葬儀が進行しないことにさすがにあせったのでしょうか。
やっと村人たちが丸太をランブーの下に敷いて押しはじめると、
おお!少しずつ動きだした。

あとはもうがむしゃらに力まかせ。

重いランブーがズンとステージに納まった瞬間、
ギャラリーから大歓声が。
でも、ねぎらいというよりは安堵の喜びでしょうね、これは。
本当に心からホッとしましたから、このとき。

すごいのはこの間、スヤサ氏の棺を持ったまま村人たちがじっと待機していたこと(上の画像の右端です)。
彼らは表情を変えることもなく、ただじっと目の前の光景を受け入れている。

このあたりがバリニーズのすごいところ。
彼らに比べて、まだまだわたしは修行が足りないようです。

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やっとランブー1対がステージに納まり、
何ごともなかったかのように再び儀式が始まりました。

遺体がそれぞれのランブー内に移され、ステージのまわりを供物を持った家臣、村人たちが祈りながらまわっていきます。
やがて高僧があらわれ、ギャラリー全員に座るようにうながし、親族の最後の別れが行われます。

長い、最後の別れでした。

広大な火葬場に集う人々は静かにそれを見守ります。
空を見上げると、オレジン色の残照が雲に、美しく溶け込んでいる。

一瞬、しんとした静けさがわたしたちを包みました。

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永久の別れの後、
ナーガバンダがランブーの間に置かれます。
ナーガも一緒に焼かれ、魂を天界へと導きます。

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午後7時、夜の訪れにあわせるかのように、ランブーにゆっくりと火が放たれました。

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長い一日のすべては、このわずか数十分のために営まれたもの。

何ヶ月もかけて村人たちが作り上げたナーガもバデもランブーも、
あっという間に灰になっていきます。

今宵、炎に焼かれ、天界へと旅立っていった多くの魂も、
生まれ落ちた瞬間から、このときのために時を過ごし、人生を成就してきたのでしょう。

そして、わたしたちも。

この後、遺灰は家族の手で集められ、
小さなヤシの実の中に詰められて、サヌールの浜辺で海に流されたということです。

結局、遺族がウブドに戻ったのは、夜中の2時を過ぎていたようです。
バデも翌朝までには焼かれていました。



こうしてウブドの長い一日は、わたしたちに大きな記憶を刻みつけてゆっくりと終わりをつげたのでした。
by naoko_terada | 2008-08-17 05:09 | トラベル | Trackback | Comments(4)
ウブドの公開火葬 〜王家火葬場へ その1〜
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さて、いよいよウブド王家専用の火葬場への出棺です。
王宮の外に出ると、ランブーも出番を待っています。

ここでわたしにはふたつの選択肢が。

ひとつはナーガバンダ、ランブー、バデについて火葬場に行くこと。
こうすれば葬送の撮影はできます。
でも、火葬場に着いたときには撮影のためのベストポジションを確保することはまず無理でしょう。

あるいは葬送の撮影はあきらめて、先に火葬場へ行き、場所取りをしておくこと。

わたしは後者を選びました。
あまり背が高くないわたしは行進と一緒でもおそらく、人込みの中ではいい写真は撮れないだろうとの判断です。
それにハイライトはやはり火葬の瞬間。
これをしっかりと記憶に焼きつけ、写真に残すことにしました。

ということで、
王宮を背にひたすらウブド市街の東に位置する火葬場へと歩いていく。

途中、前を見て絶句。

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こんな光景はバリでは初めてです。
参加&見学客は20万人とも30万人もいわれています。
重さ11トンのバデやランブーは8000人ほどの村人有志たちがリレー形式でおよそ1キロの道程を運んでいきます。
バデは魂がこの世に戻ってこられないようにジグザグに進みます。
また、途中でナーガバンダが俗世とのつながりを断ち切るため、弓矢を放ちます。
周囲では踊りが舞い、水がまき散らされ、トランス状態の男性陣が声を荒げます。

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早くも始まった喧噪を逃れるように火葬場へ。
到着した頃は火葬のためのステージの周辺にもまだスペースがあり、スヤサ氏の遺影を持った関係者などがのんびりタバコをふかしたり、談笑したりしています。
わたしはステージをやや横から望む、石像の前というポイントをゲット。
ここからが試練のときです。

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1時間ほど炎天下で待ったでしょうか。
やっとチョコルダ・グデ・ラカ氏のランブーが到着。
ステージの上に置かれます。


さらに石像の前でじっと待つ。
真上でぎらつく太陽に肌がじりじりと灼けるよう。
バリには欠かせないSPF50のサンスクリーンを取り出し、たっぷりと顔、首すじ、うなじに塗る。そしてサングラスをかけ、持参の扇子で光をさえぎる。
日陰に移動できないための苦肉の策です。
なるべく身軽に、と思ったのでミネラルウォーターは持ってきていない。
人の心を見すかしたように、氷を入れたバケツにアクア、ジュース類を並べた物売りが火葬場内を歩きまわっています。
でも、どうせふっかけるのだから買ってあげない。

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修行のように暑く長い時間をじっとやり過ごします。

と、ワッという歓声の中、スヤサ氏のランブーとバデがなだれ込むように場内に入ってきました。

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ステージの奥にバデがつけられると、村人に抱きかかえられてバデ内にいたスヤサ氏の遺族が出てきました。
深い哀しみの表情で崩れおれていく姿が痛々しい。

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時刻はまもなく午後の3時。

ますます気温が上がる中、遺体がランブーからゆっくりと運び出されます。
by naoko_terada | 2008-08-15 02:23 | トラベル | Trackback(1) | Comments(0)
ウブドの公開火葬 〜王宮内〜
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朝食を軽くとり、同行の友人と王宮に戻ったのが10時頃。
この頃には王宮周辺は、火葬見学の人たちで身動きできないほどに。
当然、一帯は車両通行止めです。

今回、とてもラッキーだったのは、友人の知り合いが実はウブド王家の家系の方で、その名もチョコルダさん!
王家ゆかりのカーストにしか与えられない位の高い名字です。
そのチョコルダさんが王家の関係者と招待客のみで一般の見学者は立入り禁止の宮殿内に我々を入れてくれたのでした。

ということで、これから出てくる画像は一般の方は見られなかったものです。

宮殿内に入るとやはり混雑しています。
すでに遺体が安置されたナーガバンダの前では僧侶が祈り、そのまわりを3人の男女が聖水をまき、ほうきで浄めながらぐるぐると回っています。
しかし、おばちゃんがはおっているピンク&レッドのジャージ、かなりギャルっぽいものですがいいんですかね。服装は。


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さらに奥に入っていくと。

いました、今回の葬儀の超VIPのご招待客の面々。
それにしても地位のある人間、裕福な人たちって特有のオーラを放っていますね。
初めてです。
インドネシアの人で「本物」のロレックスをしているのを見たのは。
おそらくバリ以外の島からも参列しているのでしょう。
中には極楽鳥(?)の羽飾りを頭につけている人もいます。
中央のふたりは、何やら密談でしょうか。

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そんな感じでうろうろしていると、どうやら出棺の前の腹ごなしのよう。
みんなで食事をいただくことに。
ナシチャンプル、みかん、アクアの仕出し料理を順番に並んでいただき、宮殿内の空いている場所に腰掛けていただきます。
実はこれから8時間ちかく水を飲むこともできなくなるとは思いもよらず。
かなり奥深い宮殿内を観察しつつ、のんびりと味わいます。

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正午を過ぎた頃。
食事を終えた関係者の動きが急にあわただしくなってきました。
こちらもあわててナーガバンダの前へと戻ります。

すでに宮殿内には出棺のための有志の村人がぎっしり。
みな、今回の葬儀のためのパープル色のユニフォームを身につけています。

まずは、ナーガバンダが外に運び出されます。
そのままでは王宮の外に出せないので、上半身と尻尾がふたつに分けられます。

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このナーガバンダの上半身を外に出すのがひと苦労。

ナーガバンダと祭壇があるのは王宮の中央部。
レゴンダンスなどが行われる割れ門の奥ですね。ナーガがあまりにも大きいのでこの割れ門を抜けることができないのです。
角度を変えて門を抜けようとするたびにメリメリと不吉な音が。
この辺、やっぱりあんまり考えていないのですね。

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なんとかナーガバンダが外に出たところで、遺体を運び出します。
まず、最初に運ぶ出されたのが王家出身で昨年、90歳ほど(生年月日が不祥)で亡くなったデサ・ラカおばあちゃんの遺骨。
彼女はすでに一度、荼毘にふされています。

その後に同じくウブド王家出身で、警察署長を務めていたチョコルダ・グデ・ラカ氏の遺体が運び出されます。

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そして、最後にウブド王家最長老だったスヤサ氏の立派な棺が
ゆっくりと運びだされます。
スヤサ氏の最後の旅立ちを前に、ほんの少しでも棺を運びたい、触れたいと多くの手が棺に向かって差し出されます。
かつげなかった者は、それでも棺にかかる白い布の端をぎゅっとつかんでいる。

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ウブドの村の人々に抱かれたまま、
スヤサ氏の棺は26.5mのバデの高みと運ばれていきます。
by naoko_terada | 2008-08-13 02:02 | トラベル | Trackback | Comments(0)
ウブドの公開火葬 〜夜明け前、その2〜
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しばし、ウブド王宮内の撮影をさせていただき、静かに退出。

手招きをして中に入ることを許してくれた、古老はもうそこにはいませんでした。
あの老人はもしかすると、スヤサ氏だったのでは?
そんなことを考えつつ、外へ。

時刻は朝の5時。

そのまま王宮横の通りを進んでいくと、
今回、共に火葬される68人の村人たちがまつられる一角があり、
昨晩からずっと寝ずに付き添う家族たちの姿が。
しばらくすると、僧侶の祈りにあわせ儀式が始まりました。

祈りの言葉と共に、家族は一斉に故人の遺影に向かって静かに合掌をくり返す。

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その後、彼らは飾っていた供え物を抱え、村の火葬場へと一斉に移動を始めました。
実は、68人の遺体はすでに一度、土葬から掘り起こされ火葬にされています。
この日、正式な儀式を受けることによって無事、天界へと旅立つことができるのです。

数百人はいたでしょうか。
ガムランの演奏もなく、無言で夜明け前のウブドを火葬場に向かって進む人々の行進は胸を打つものがあります。
彼らの後ろをそっとついて行きます。

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ウブド村の火葬場は、王宮からラヤ・ウブド通りをチャンプアン橋のほうに歩いて10分ほどの坂の上にありました。

これから行われるのは、ニュカッ・カランNyukat Karangと呼ばれる儀式。
火葬を行う位置を決めるための白線をひく行為です。
合図のもと、真っ白な一本のひもが手渡され、それを「サトゥ、ドゥア、ティガ(1、2、3)」のかけ声にあわせて地上にパンと打ちつける。
昼から行われる火葬はすべてこの中で行われるようです。

まるで、現世とを分ける結界(けっかい)のよう。

それが終わると、しばし僧侶の祈りがあり、儀式は終了。
供え物はすべて置き去り、家族はいったんウブドへと戻ります。

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再び王宮前に着いた頃は、朝の7時頃。
周囲は明るく、バイクや人の往来も激しくなってきています。
いつものウブドの風景ですが、
スヤサ氏のバデが驚くほどの高さでそびえています。
やっぱりこうやって見ると、圧倒的な大きさです。

王宮横では、道路脇の街路樹の切り倒しが行われている最中。
今までにない巨大なバデとランブーが王家の火葬場まで練り歩くため、邪魔な木を切り倒しているのです。
その後、電線もカットされ、ウブド一帯は葬儀終了まで停電に。
こういうところがバリはすごいですね。
なによりも宗教儀式が優先されるのですから。

次の儀式は10時頃からなので、わたしも一度、ホテルに戻ることに。
火葬場にいた数時間でかなり、重い気分になっていたのでリフレッシュが必要です。

明るくなったモンキー・フォレスト通りを歩いていると、
途中、サッカー場の広場で村人のためのランブーとバデの準備が。
カーストによってランブーは牛ではない場合もあるそうで、さまざまな姿のランブーが出番を待っています。
どれもすべて村人の手作り。
それもあと数時間で一瞬のうちに焼き尽くされます。


ホテルへ戻り、まずはスタッフに頼んで浄めの塩をもらう。
肩、足元に、さらにカメラと三脚にも塩をひとふり。
これで少し、気持ちがスッキリしてきたよう。

シャワーを浴び、
気持ちを切り替えて、いよいよこれからが葬儀のハイライトです。
by naoko_terada | 2008-08-09 04:37 | トラベル | Trackback | Comments(2)
ウブドの公開火葬 〜夜明け前〜
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7月15日。
ウブド王家の火葬の当日。
朝4時に起き、ひとり、まだ暗いモンキーフォレスト通りを歩いて王宮へ。

バリ人女性の正装、クバヤを身に付けてはいるものの、
肩には愛すべき我がニコンD80と、三脚。

周囲はまだ、夜明け前の空気。
昼間よりもかなり強気なノラ犬たちが、我がもの顔でうろついている。
バイクに乗ったバリニーズがときおり、通り過ぎるだけ。
とても長い一日を目前に、今まで見たことのない静けさに包まれたウブドです。

王宮につくと、数は少ないものの、関係者が掃除をしたりと準備をしている様子。
部外者はどうやら、わたしだけ。
出棺は昼頃の予定なので、慌ただしさはありません。
バデやランブーもすでに完成し、おだやかに出番を待っています。

通常、レゴンダンスなどの舞踊が行われる場所までは王宮内は誰でも入れます。
その先は一般立入り禁止のはり紙が。
でも、本日の葬儀はその奥で行われるよう。
カメラ片手に中をそっとのぞいていると、
奥のイスに座っていた翁と目があう。
軽く、会釈をする。
すると、彼はすっと手招きをして「入れ」とうながす。

サロンのすそを跳ね上げて、石段をまたいで王宮の奥座敷へ。

そこに、まばゆいばかりの黄金色で鎮座していたのが、ナーガ・バンダ。
龍神です。
このナーガ・バンダは通常の葬儀には使われません。
サトリアという最高位のカーストのひとつに属する人物で、かつ、
生前、コミュニティに対して尽力した功績がある場合にかぎり、使用されることが許される非常に貴重なもの。
まさしく、葬送されるウブド王家の長老、スヤサ氏にふさわしい。
今回の葬儀の中でも最も注目されるものです。
このナーガ・バンダに守られるよう、その奥に遺体が安置されています。

まず、両手をあわせて合掌。
それから写真を撮らせていただく。

ゆっくりと一枚、一枚を撮っていく。
デジタルというよりはフィルムで撮っていく感覚。
その間合いに、ひとりの人間の人生を思い、自分の生きていることを考えてみる。
亡き母のこと、父のこと。
姉、叔母、大切な人たち。

その時、ふと気がつく。
今日、東京はお盆。
きっと父は母たちを迎えるために、小さな迎え火を玄関前で焚くことだろう。
迷わずに、家族のもとへと帰ってこられるよう。

迎える人、見送る人。

その両方の気持ちを、一枚の写真にこめて。
ゆっくりとシャッターを切ってみる。
by naoko_terada | 2008-08-07 01:53 | トラベル | Trackback | Comments(6)
公開火葬前夜 〜ウブド王宮を訪れる〜
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夕刻、再びウブドの王宮へと向かう。

昼間とは異なり、このときはバリの女性の正装であるサロン・クバヤを身に付ける。
だいぶ以前に現地で仕立てたもので、
久しぶりにバリの「イブ(おばちゃん)」に変身です。

太陽が沈み、淡い光りを残しつつ宵闇が街を包む頃、
ウブド王宮周辺は、火葬の準備を見学する観光客やローカルで大混雑。
車の渋滞もさらに激しくなっていました。

それにしても光に浮かびあがるバデやランブーのなんてみごとなこと。
数カ月かけて準備をしたこれらも、明日には一瞬にして遺体と共に焼けてしまう。
そんな刹那的でもある、通過儀礼のハレとケ。
バリ人の確固とした死生観には、自分の人生や未来を投影してしまいます。

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華やかな王家の葬儀とは別に、
わたしの心を強くゆさぶったのが、その後ろに並べられた村人たちの祭壇の列。

バリの火葬は非常に高額なため、火葬をするだけの経済力がない家では家族が亡くなった場合、とりあえず土葬にして裕福な家で火葬が行われる際に掘り起こして一緒に焼いてもらうことがあります。

今回、一緒に火葬される選ばれし村人はなんと68人。
王宮横、イブ・オカがあるスウェタ通りには王家の華麗な装飾とは異なり、
質素ですが精一杯の想いがにじむ供え物であふれた祭壇が。
その周囲を家族たちが、静かな表情で夜が明けるのを待ち受けます。

祭壇のひとつひとつに名前がしるされ、遺影が飾られている。

無神経にならぬよう、親族や葬儀関係者の表情を読みながら写真を撮っていると、
「ニホンジン?」と、ひとりの男性が話しかけてきました。

彼の甥っこが今回、火葬される68人のうちのひとりだと言って、
ひとつの祭壇を指さす。
まだ20歳。
通学時に交通事故にあったのだという。
「そこにいるのが彼の父親だよ。娘ふたり、息子は甥っこひとりだけだったから。もうガッカリして。毎日、泣いているよ」

68の祭壇には、68人の人生が宿っている。

明日には、人生の長さと重さを抱えたそのすべての魂が焼き尽くされ、自然に還る。
再び、よりよき人生を歩むためにこの地に生まれ落ちることを願って。


ふと空を見上げると、
9層のバデよりもさらに高い位置に輝く三日月。



公開火葬は、快晴の中ではじまることでしょう。
by naoko_terada | 2008-07-24 23:33 | トラベル | Trackback | Comments(10)
バリ島ウブドの公開火葬に

今回のバリ島への取材目的はふたつ。

ひとつは、この5年ほど続けているガイドブックのプロデュースのため。
そして、もうひとつが7月15日にウブドで行なわれる王家の公開火葬を見ること。
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13日までにきっかり予定どおり、ガイドブック用取材を終え、
14日午前中には、一路ウブドへ。
すでに葬儀の準備で、ここひと月ほどウブドの王宮周辺は大渋滞の大混雑。

その理由は、今回の公開火葬が今までにない前代未聞の規模だから。
なくなったのはウブド王家の最長老、チョコルダ・グデ・アグン・スヤサ氏。
2月28日に長い闘病のすえ、67歳で他界。
彼の弔いに加えて、スヤサ氏の数日前に亡くなった、同じく王族のひとり、チョコルダ・グデ・ラカ氏と、昨年亡くなった王家出身の老女デサ・ラカさんのおふたりの葬儀も同時に行なうというから、
それはもう、大変な一大イベント。
数千人とも言われる関係者や見学客で15日当日、ウブドは大混雑になり、車の通行も禁止されることを見越して前日からウブド入りをしたというわけです。
真夜中にも葬儀の儀式があることから、モンキーフォレスト通りの老舗なごみ系ホテル、バロン・リゾート・アンド・スパを今回は滞在場所にチョイス。
ここからなら王宮まで歩いていける距離なので便利。

ホテルにチェックインする前に、まずは下見と、車でウブド王宮へ。
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別名プリ・サレンと呼ばれるウブド王宮は、まさにウブドの中心に位置。通常は、毎晩、王宮内でレゴンダンスなどのバリ舞踊のパフォーマンスが行なわれ、観光スポットでもあります。
意外に知られていないのが、ゲストハウスでもあり、誰でも宿泊ができること。
部屋は値段相応に質素ですが、きらびやかな宮殿内での滞在はとても貴重な体験になります。
道路の向かいは、ウブドマーケット、人気のバビグリン(豚の丸焼き)の名店イブ・オカもすぐ目の前(今回の葬儀のため、イブ・オカは移転、自宅での仮営業。店の前に”自宅でやってます!”の看板が)。
常に、ウブドと共に暮らし、見守ってきたのがプリ・サレン。
その主の葬儀です。
ウブドの村人はもちろん、周辺の村の多くの人間がこの公開火葬の準備を無償で行なっていました。ここに、バリ人の強さと、団結力があります。
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王宮に行くと、まず目についたのが巨大な山車のようなバデと呼ばれるタワー。
公式資料によると高さは26・5m。
これに棺を乗せ、15日当日、およそ7000人の村人によって王宮から約1キロ離れた王家の火葬場までを練り歩きます。

王家のみに許された九層の塔を頂点に、下には亀(ベダワン)、ナーガ(龍)、ガルーダなどバリ・ヒンドゥーの宇宙観をあらわすシンボルが極彩色にかたどられ、圧倒的な存在感を放っています。
これ、すべて村人たちによる手作りです。
10日ほど前にウブドに立ち寄ったときは、製作途中でしたが、この日にはすっかり完成品に仕上がっていました。
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そして、市場側の王宮入口にはランブーと呼ばれる雄牛のフィギュア。
バリの火葬では、最後、この牛の内部に遺体を移し、そこに火を放ちます。
最も大きいのが長老スヤサ氏を乗せて天界へと向かうランブーです。
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ちょうどわたしたちがいるときに、バデの上に九層の塔を取り付ける作業が始まりました。
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これが、まあなんともアナログな人海戦術(笑)。
ジェットコースターのような手作りの足場から男性陣が塔をかつぎあげ、竹の棒を使って上へ上へと押し上げていく。
途中、竹の棒の長さが足りなくなりエクステンション。
危なっかしくありながらも、多くの見学客が下から見守る中、どうにか塔は頂点に。
やや傾いているのが(かなり)不安ですが、それも後で調整されていました。

すごいですバリニーズ。
こんなに働くバリの男性陣を見るのも初めてです(笑)。


ここでいったん、ホテルにチェックインし、
夕方、再び王宮を訪れることに。


この晩から、いよいよ火葬に向けての儀式が随時、行なわれていきます。
by naoko_terada | 2008-07-21 18:45 | トラベル | Trackback | Comments(10)





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