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ラディカル・オーラル・ヒストリー 保苅 実 岩波書店から待望の文庫化
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「ども、はじめまして、ほかりみのると申します。」

この書き出しから始まる異例な学術書「ラディカル・オーラル・ヒストリー」。単行本として世に出たのが2004年9月。著者である学者、保苅実氏は脱稿から数日後、療養中のメルボルンでガンのため33歳という若さで亡くなります。
その彼の生涯をかけた研究の集大成がこの、「ラディカル・オーラル・ヒストリー」です。オーストラリアの先住民族アボリジニのコミュニティでのフィールドワークを通して見えてきた世界観、それは現代を生きる私たちにこそ必要な共有、わかちあい、相互理解を示唆します。
後ろのカバーページにはこうあります。

「近代知の権力性を超えて、異なる他者と対等に繋がり合う――困難な問いを、楽しさと喜びに満ちた挑戦として鮮やかに描き出す。」(解説=本橋哲也)

わたしは保苅さんと会ったことはありませんでした。ただ、オーストラリアつながりでなんとなくいつか会えるんじゃないかと思っていました。結局、亡くなる前に会うことはかなわなかったのですがさまざまなご縁があり、今では「保苅実記念奨学金」を立ち上げ、「保苅 実とつながる会」を運営するお姉さまの由紀さん、そしてご両親お二方ともつながりました。まさにBeing Connectedです。

単行本が出版されてから多くの共感、つながりが国内、海外から生まれました。基金もユキさんの地道な活動と多くの方の尽力で毎年、若き学者たちへの奨学金として活用されています。詳細は上記の「つながる会」をごらんください。
単行本は入手困難なこともあり、再販の希望も多かったそうです。それが、今回、岩波書店から文庫という形で出版されることになりました。学術書といっても保苅さんのまるで友だちへ語りかけるようなカジュアルな文体は難解ではありません。偶然ですが今年3月に出版されたStudio Voice Vol.412 には今福龍太氏による「保苅実というオーラル・ヒストリアンの痕跡」という寄稿が。こちらも保苅 実という学者を知りたい方は必読です。

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うしろのページには今回、生じる著作権料はすべて「保苅 実とつながる会」の活動費に充てられる。とあります。奨学金基金への充当のほか、本書をより広く知ってもらうための活動に使われることと思います。
それはまさに保苅 実氏の想いを世に問うことにほかなりません。

帯に書かれた言葉。

<他者>の歴史に耳を澄ます

同書が生まれてから14年経った今も、そのメッセージは色あせていません。



by naoko_terada | 2018-05-21 08:00 | その他 | Trackback | Comments(0)
アウトバックから東京へ 保苅実 写真展&写真集発売


6月に網走まで観にいったのが、保苅実 写真展 カントリーに呼ばれて ~オーストラリア・アボリジニとラディカル・オーラル・ヒストリー~

予想以上の反響と、観た方たちの感動が広がりを生み、
ご家族の想いと共に、東京での写真展が開催されることになりました。

これは、日本オーラル・ヒストリー学会の大会にあわせてのもの。
(こんな会があるのですね!)

詳細は以下です。


期日:9月6日(月)~9月12日(日)10AM - 5 PM(最終日は4 PMまで)
場所:立教大学(池袋キャンパス)の7号館ロビー
主催:日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)
協力:保苅実とつながる会立教大学社会学部北海道立北方民族博物館
後援:豪日交流基金オーストラリア大使館
入場無料。大学・JOHA関係者以外の入場も可能です。

池袋駅からのアクセスキャンパスマップ


また、これにあわせて写真集も発売されます。

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上のアウトバックの褐色の大地を思わせる、赤い表紙は布製の愛蔵版で、限定50部。
価格6000円+送料**

下は、通常版で、こちらは限定220部。
価格2700円+送料**

** 送料について。日本国内のみ、2冊までは一律350円。3冊以上はお問い合わせください。


すでに、先行予約を受け付けていて、9/5(日)までに予約すると、保苅さんがが亡くなる数週間前に描きあげたクレパス画「生命の樹」をデザインしたバッチがもれなく付いてきます。

二冊とも、ちょっと高めの価格設定ですが、これには理由があります。

販売による利益は、全額、保苅さんが亡くなった後、若い学者たちを支援する名目で創設されたオーストラリア国立大学・保苅実記念奨学基金に寄付されます。
同基金の残高は現在A$64,168で、毎年A$5000の奨学金を永久給付するには、さらにA$50,000(約380万円)の資金追加が必要です。(今年の奨学金額はA$2500の予定。)

今回の書籍販売は、
未来の保苅実になるであろう若い学者たちの支援でもあるわけです。


購入方法は、以下となります。


ご購入希望の方は、info@hokariminoru.orgまで、以下の情報をメールでご送付ください。

1.注文部数(愛蔵版・通常版の区別とそれぞれの注文部数)

2.お名前(漢字とふりがなも)

3.送付先住所と郵便番号

4.連絡先電話番号

5.メールアドレス

購入予約メールをいただいた後、来週中に代金の振込み先(「保苅実とつながる会」郵貯口座)等を注文確認メールという形でお知らせします。2週間以内にお振込みがない場合は、注文を取り消させていただきますので、ご了解ください。写真集は、お振込みいただいてから、2週間以内に発送します。但し、海外への送付をご希望の方は、支払い方法・郵送料など、改めて別に対応しますので、まずはメールでの予約申し込みをお願いします。



保苅さんのお姉さま、由紀さんは、オフィシャルサイトでこのように書かれています。

「人生は長さではなく深さだ」と言い、充実した人生を送ったと納得してこの世を去った弟です。32年という短く深い彼の人生に、記念奨学基金を末永く残すことで「長さ」も与えてやりたいと思っています。
どうかご協力をお願いいたします。



はるか昔から、何も所有せず、
オーストラリアの大地と共に生きてきたアボリジニ。
彼らの世界観、現代社会に対峙する考えを彼らと共に暮らしながら、自分もまた身につけていった保苅実さん。彼の文章、写真にはアボリジニに対するリスペクトと、真摯な姿勢があります。

今を生きる私たちに、何かを考えさせる写真展です。
決して、難しいものではありません。

愛蔵版の表紙に引かれた、一本の矢印。
(それが何を示すかは、写真展をご覧になればおわかりいただけます)。


この矢印と一緒、実にシンプルで叡智ある内容です。



ぜひ、ご覧ください。
by naoko_terada | 2010-08-29 17:33 | その他 | Trackback | Comments(5)





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