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角川書店から出版しましたカラー新書、「ホテルブランド物語」。 おかげさまで多くの方に手にとっていただいているようです。 ありがとうございます。 これから数回、本の中に登場するホテルを取材した際のウラ話をいくつかご紹介しようと思っています。 第一回目は、一流ホテルでのおたのしみ。 アフタヌーンティーについて。 香り豊かな極上の紅茶のセレクションに、 伝統の三段重ねトレーに盛り込まれた、みめ麗しいフィンガーサンドやスイーツたち。 クラシックな英国風アフタヌーンティーは、ゲストはもちろん地元マダムたちの御用達。 ゆっくりと時間をかけて、おしゃべりを楽しみながら味わうティータイムは、 まさに至福のひとときです。 写真は、上からザ・リッツ・カールトン、ボストン、ザ・ペニンシュラ香港、そして、ザ・オリエンタル バンコク。 いずれも連日、予約で埋まるほどのホテルの名物。 なかでもザ・ペニンシュラ香港は行列ができるほどの人気ぶり。 毎日、1000個以上のスコーンを焼いても足りないということです。 ウェイターはテキパキと忙しそうに動きまわり、シズル感あふれる空間が、香港らしさを感じさせてくれます。 ザ・オリエンタル バンコクのアフタヌーンティーもとても人気。 早めのリザーブを心がければ、シュロの木が配され、自然光がさしこむコロニアルなラウンジの特等席をキープすることも可能。 こちらはたおやかなタイシルクの制服をまとった女性スタッフが、ゆったりとした所作で優雅な時間を演出してくれます。 そして、今回もっとも印象的なサービスをしてくれたのが、 写真のザ・リッツ・カールトン、ボストンのジェントルマン、ミギール。 フランス語も堪能な、チャーミングなホスピタリティでご婦人がたを魅了。 そんな彼をモデルに撮影を行った後、 彼が、「明日の午後、お茶しにいらっしゃい」と誘ってくれた。 翌日、すでに満席のラウンジにひとつだけわたしのためのテーブルがキープされていた。 まずはグラスシャンパン。 そして、お薦めのオリジナルブレンドの紅茶にあわせて、焼きたてのスコーン、キュウリのサンドイッチ、ペイストリー、プチフールなどが美しい銀器に盛られて登場。 ひとりでいるわたしを気づかい、忙しい間にもサッとテーブルに近寄ってきては、 あれこれと会話をして笑顔をみせてくれる。 すっかりボストンマダム気分を満喫した後、彼に 「チェックしてもらえる?」と聞くと。 「ノー、ここは僕がもつので気にしなくていいよ」との返事。 つまりはこれがザ・リッツ・カールトンが従業員全員に与えている決裁権(エンパワーメント)なのです。具体的にはひとり一日2000ドル相当の裁量が各自に与えられ、「ゲストの個性的で思い出深い体験を提供するため」に、それを活用することが許されています。 たとえばディナーを楽しんでいるカップルが結婚記念日のために来たということがわかれば、その場でシャンパンのボトルをプレゼントする。 小さな子供が大事なオモチャを失くしてしまったら。 ホテルのキャラクターであるライオンのヌイグルミをプレゼントしてあげる。 今回は取材でアフタヌーンティーを楽しめなかったわたしに対して、彼が ステキな時間を作ってくれた。 これこそがザ・リッツ・カールトン流ホスピタリティ。 「ホテルブランド物語」では、ザ・リッツ・カールトンはもちろん、一流ホテルのサービスの極意を紹介しています。 ご興味があれば、ぜひ、手にとって読んでいただければ嬉しいものです。
by naoko_terada
| 2006-09-25 02:11
| ホテル&リゾート
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Comments(9)
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from もっと歩々晴天
at 2006-10-18 13:51
タイトル : ホテル好きにお奨めの1冊。
本格的なバリレポに入る前に、今回の旅のお供としてスーツケースに忍ばせた数冊の本の中から1冊をご紹介。 その1冊とは、ご自身でもハッピー・トラベルデイズというblogを運営されているトラベルジャーナリスト 寺田直子さん著 【ホテルブランド物語】 コチラは、以前、寺田さんがご自身のblogで「新しい本を出版するためにアジアのホテルを取材旅行している」と綴っておられた頃から、その本が店頭に並ぶのを心待ちにしていた1冊。 私自身思い入れのあるペニンシュラ香港から、1度は訪れてみたいと思ってい...... more
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from TokyoMidtown..
at 2007-02-15 21:44
タイトル : ザゥ螢奪帖Ε・璽襯肇鹽豕・〕縮・
ザゥ螢奪帖Ε・璽襯肇鹽豕・陵縮鵑・・呂砲覆蠅泙靴拭・・覆薐・筏㌶案段魅廛薀鵑筌好ぁ璽肇襦璽爛灰譽・轡腑鵑覆鋲段摸繕發・・僂箸覆蠅泙后M縮鵑郎・垢阿海舛蕕・蕾椎修任后・... more
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from 香港マダム
at 2007-05-05 02:13
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from 香港マダム
at 2007-05-05 02:13
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zonnebloem
at 2006-09-26 22:58
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すごい・・・。リッツ・カールトンの心意気に思わず「うわぁ、ステキ・・・」と呟いておりました。かっこいいですね、そういうの。まさに粋。
↓旅行博、私も行って来ました。各ブースいろいろ工夫してて面白かったです。行きたいところがさらに増えてしまいました(笑)!
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naoko_terada at 2006-09-27 00:42
zonnebloemサマ
こんばんは。 私もそのとき、思わず「うわぁ・・・」と言っちゃいました(笑)。 お金(だけ)の問題ではなく、そういうホスピタリティを持ったもてなしをしてくれることに素直に感動しました。 こういうホテルは「いつかまた」という思いにさせますよね。 また、あのチャーミングな笑顔に出会いに。 旅行博。 週末はすごい人でしたね。 でも、家族連れ、カップル、ご年配の方。みなさん、楽しそうでした。
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末っ子
at 2006-09-27 16:47
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先日、ロンドンのブラウンズホテルでちょっとした体験をしました。
アフタヌーンティーを楽しんでいたご家族、どうやらおばあさまが誕生日だったようです。サーブしていたウェイターさんがそれを察して、「ちょっと待ってくださいね」と立ち去った10分後。ハッピバースディのピアノ演奏と共に、ロウソクを1本立てた小さなケーキとシャンパンが運ばれてきました。ご家族はもちろん、周囲のみんなも驚いて、拍手喝采。するとなんと、おばあさまが立ち上がり、まるで女王様のようにワンピースのすそを持ち上げてお辞儀をしたんです。その姿があまりに可愛らしくて、再び拍手喝采! 楽しくて嬉しくて、素敵な時間でした。次はお茶だけでなく、泊まってみたくなりました。
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naoko_terada at 2006-09-27 21:03
末っ子サマ
ロンドン・トリップ! いかがでしたか。 きっとステキな思い出をいっぱい紡いできたのでしょうね。 お誕生日のおばあちゃん。 ステキ。 心温まるサービスをしたブラウンズもいいですが、そういう際に 愛らしいパフォーマンスができる彼女もすてき。 そういうユーモアやウィットに富んだ対応が自然にできるのが大人だと思いますね。 すてきな一瞬を共有しましたね。
ザ・リッツ・カールトン従業員全員のエンパワーメントがあるなんて、素敵ですね。
ちょうど私も先週、ペニンシュラホテルバンコクで素敵な時間を過ごしてきました。 アフタヌーンティーやチャオプラヤー川を望むカフェでの朝食バッフェ、一流のホテルの心のこもったホスピタリティーでゆっくりと流れる時間をたっぷり楽しんできました。 今度は是非、対岸のオリエンタルホテルにも滞在してみたいです。
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naoko_terada at 2006-10-06 08:48
たんぽぽサマ
ペニンシュラ・バンコクはアジア人女性が総支配人。 そのためか、とても細やかなホスピタリティを感じさせますよね。 タイ人のおもてなしの心もありますし。 朝食はわたしも大好き。 特等席のカフェの川沿いのテーブル。 夕方からのタイレストラン、ティプタラも雰囲気あっていいですね。 滞在しなくても利用できるホテルのダイニングはお薦め。 お手軽に優雅な気分に浸れます。
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happy-lion at 2007-09-12 20:06
初めましてlionです!なんて素敵で中身の濃いブログなんでしょう!!
私も旅の満足度ははホテルで大半決まる!!と思ってます。 リッツは大好きなホテルです。必ずクラブレベルのお部屋を 予約します。特に治安の悪い街などは夜食事に出かけなくても クラブラウンジ利用で十分満足でき助かりますね。 一人旅は必ずリッツを選択します。ホームステイをしてるかと 思うくらいアットホームを感じます。特にNYセントラルパーク 側のリッツはこじんまりしてて大好きです。直ぐに名前で 呼ばれるのも嬉しいですね。 が、5月にモナコ滞在した時は情報が少なくて選択に苦労しました。 まだまだ知りたいこと沢山!! これからも ブログ楽しみにしてますね!
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naoko_terada at 2007-09-13 14:08
happy-lionサマ
はじめまして。 コメントありがとうございます。 ホテルの楽しみ方を実践されているよう。 リッツカールトンは高級なだけではなく、やはりスタッフのホスピタリティに感心させられます。 新しい東京のリッツカールトンも素敵ですよ。 もう、お泊まりになられましたか?
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happy-lion at 2007-09-13 15:33
お返事ありがとうございます!
東京は近年もっぱら成田近くの お宿専門です。 先月何年ぶりでしょうか・・・研修の為の東京ステイ・・・ リッツも頭に浮かびましたが・・・ 旅はそこから始まり 列島横断!!海も渡り2週間。結局お財布の口が 開かず・・(国内は普通のホテルにステイすることが多い) 汐留のホテルに・・・。結果大失敗!!選択ミスが大きな ダメージになり 記憶から消したい結果となり つくづく 選択の大切さを痛感しました。 最後に泊まった大阪の帝国ホテルは落ち着けました。 いつも思うのですが リッツと帝国ホテルは 似てるな〜!と 思います。なぜか落ち着くのが不思議です! 特に上高地帝国ホテルと海外のリッツクラブレベル はホスピタリティーが一緒だな・・・と。 東京ステイ、次回はリッツにしてみたいと思います♪
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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