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バリ島 久しぶりのクタ滞在で思うこと
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バリ島に来ています。

到着が遅めだったこともあり、最初の滞在は久しぶりのクタ。
ビーチ沿いにはデザイン系のしゃれたホテルが増え、新しい大型ショッピングモールもできるなど、開発は進んでいます。
かつて、「ヤシの木以上高い建物は建ててはいけない」という不文律がバリ島にはありましたが、これもゆるやかになかったことになりつつあります。

とはいえ、路地に入ればシャリンシャリンと鈴の音を響かせてドッカル(馬車)が走り、小売店がぎっしりとクタらしい風情も残っています。
路地を走るバイクの音がなぜか心地よく思えるのもバリ島らしい。

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そんなクタで久しぶりにこちらを訪れました。2002年、観光客を中心に202名が犠牲になったボム(テロ爆発事件)現場に建てられた慰霊碑です。場所はクタのメインストリート、レギャン通り。
完成時はまぶしいほど真っ白でしたが、14年の歳月を経て風化したように見えます。知らずに通り過ぎる観光客も多いでしょう。

当時からバリ島のガイドブックを作っていた私は今でもあの時のバリ島の哀しみを思い出します。

事件から約2ヶ月後、現地のホテルの招へいで視察に入りましたが、現場はいまだ焦げ臭く生々しい傷跡を残し、そして周囲の店はすべて閉まり、観光客はまったくいませんでした。

あの当時、バリ島のホテルの動きは迅速でした。
主要ホテルのGMが中心となり、すぐに日本の観光メディア、旅ライター向けの視察ツアーを立ち上げたのです。
「ページ数の確約も、内容もまったく気にしません。とにかく今のバリ島を見て、その思いを記事にしてください」と。

また、バリ島のホテル全体の安全性が確信できなければ観光客は戻ってこない、という認識からホテル間の情報共有を行う組織が発足。その中心となったのもインターナショナルなホテルチェーンのGMたちでした。彼らは人的・経費的に危機管理能力の薄い地元ホテルへの啓もう、情報提供を惜しみなく行いました。あのときのGM、ホテリエたちに、「人を安全に守る場所」としてのホテルの意義を強く感じたものでした。

彼らの行動の背景にはバリ島という稀有な場所の存在もあったように思います。

バリ島にはバンジャールと呼ばれる相互扶助システムが古くから続いています。日本でいうところの「結(ゆい)」のようなものですね。困っているときは互いに助け合うという意識がとても強くあります。2012年、バリ島の棚田などの景観が世界遺産に登録されましたが、バンジャールのひとつである水田を維持するための互助制度「スバック」の文化的価値が認められてのことでした。

さらに、バリ人の概念に「Tri Hita Karana(トリ・ヒタ・カラナ)」といものがあります。

これは「神・自然・人」がそれぞれ調和しあい世界を構築ししているという考えで、それゆえにテロ行為により怒りや憎しみ、哀しみでバランスを失ったバリ島の秩序を保つために、ホテル関係者が思いを共有し、助け合ったことは自然な行為だったのかもしれません。

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慰霊碑には202名全員の名前が刻まれています。

爆破で、わたしたちのガイドブックで紹介予定だった店も犠牲にあいました。
ちょうど色校時というタイミングでの事件。笑顔のバリニーズのスタッフの写真が載った校正紙を前に、涙しながら差し替えの指示を出したことは決して忘れることができません。

そんなさまざまな当時の記憶が、開発が進み、にぎわうクタの喧騒の中で呼び起されました。


フロリダでの銃乱射、シリア、トルコなど世界各地でテロ行為が続いています。

あれから14年、私たちは何を学んできたのでしょうか。
by naoko_terada | 2016-06-13 17:43 | トラベル | Trackback | Comments(0)
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