|
5月の上旬、新しくオープンした宿、里山十帖に泊まってきました。 米どころ新潟県・越後湯沢から在来線に乗り換えて約10分。そこからお迎えの車で5分たらず。越後湯沢駅からタクシーなら20~25分程度です。 ここは150年の古民家を使った元温泉旅館をリニューアル。空間、食、文化体験など日本の里山の魅力を再生しつつデザイン性をもツイストさせた斬新なアプローチが特徴。その例がフロントに配されたショッキングピンクのヤコブセンのエッグチェアと古民家の温故知新の妙。「日本の観光のポテンシャルは地方にこそある」と考えているわたしにとってとても興味深く、オープンを心待ちにしていた宿です。 で、いきなりこんな夜の客室の画像ですみません。 実は急きょ滞在を決めため、視察におじゃましていた福島からぎりぎりの新幹線を乗り継いで深夜に到着。 客室はわずか12室。 わたしが選んだのは「露天風呂付きコーナーツイン」。 武蔵野美術大学工芸工業学科インテリアデザイン研究室との産学協同デザインとのこと。 この時期、まだ肌寒い頃でしたが、館内&客室は徹底した暖房効率を考慮した設計のため素足でも心地いいほど。シンクのタイルはかわいらしい雪の結晶がモチーフ。豪雪地帯の雪国らしい遊び心です。 この夜は疲れていたので、無料のミニバーから缶ビールをいただいて、そのままベッドへ。 里山の静けさに包まれて、あっという間に夢の中。 そして、翌朝。 窓の外には晴れあがった青空と、日本百名山のひとつ、巻機(まきはた)山の雄姿が! 熟睡したおかげでスッキリさわやか。 こんな爽快な目覚めも久しぶりです。 ということで、まずは朝飯前の温泉に。 部屋にも露天風呂があるのですが、それはごはんの後のお楽しみにとっておくことに。 向かうは共用の湯処「天の川」。 もともとあった場所から眺望のいい位置へ移築。アプローチはモダンな雰囲気に変えられています。 内湯は風呂自体は新しくなっていましたが、建物は移築前のまま。 高い天井を見上げます。 体を洗い、かけ湯をしたら、バンっと外へ。 まぶしすぎる朝の光が一気に世界を変え、すがすがしい空気と山の緑が目にとびこんできました。明るく生命力あふれる一日のはじまりです。 そして、たっぷりと深呼吸をして、まっさらな生まれたての温泉に。 運よく誰もいないので貸切り気分。 驚くのはその泉質。ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉という日本全国にあるタイプの泉質なのですが、肌触りがまるでスキンローションのようなとろみを持っています。すくいとるように手のひらに湯をとっては腕やデコルテあたりに丁寧にかけていくと、スキンケアをしているようでちょっとリッチな気分です。 体がほっててくると中央に置かれた巨大な石の上に座り、上半身を山の風にあてて軽くクールダウン。ちなみに、「天の川」と名づけられるだけあり、夜は照明を落とし、新月なら星と天の川が、満月には月光浴が楽しめる趣向に。そのほか流星群など通年を通して夜空を楽しめるのが魅力。月齢や天体ショーのカレンダーはここをチェック!→湯処 天の川について トロンととろける温泉にゆっくり浸かり、朝の時間を満喫。 お腹がクぅと鳴ってきたので、そろそろ朝食をいただきましょうか。 これもまた里山十帖のお楽しみですよ。
by naoko_terada
| 2014-07-26 18:43
| 日本
|
Trackback
|
Comments(0)
|
筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
最新のコメント
最新のトラックバック
以前の記事
カテゴリ
全体 東北応援! 福島 熊本 トラベル ホテル&リゾート エアライン ワイン&ダイン 掲載メディア 日本 TOKYO HOTEL マイ・フェイバリット 伊豆大島 その他 トラベルTIPS 新型コロナ わたしのこと Hav Cafe 島ぐらし タグ
ファン
ブログジャンル
|
|
ファン申請 |
||