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24名の挑戦者の調理が終了して、審査員が審査結果をわたします。 すべての料理を味わったシェフのみなさん、おつかれさまでした。 会場も朝からピンとはりつめてたいた緊張感から、解き放たれます。 もちろん、ずっとカメラを構え、フィルムをまわしていた各国のメディアもそう。 審査結果が出る17:30まで一端、会場を離れます。 ボキューズ・ドールはSirhaという食の見本市の一環として開催されています。 会場には、食材、ワイン、スイーツ、パッケージ、ユニフォーム、調理器具など外食産業にかかわるブースが出展し、関係者でにぎわいます。 ボキューズ・ドール以外にもさまざまなコンクールが行われ、そのひとつがクープ・デュ・モンド。 国際的な製菓コンテストで、世界のパティシエが腕を競います。 会場にはコンテストで製作された飴細工が飾られていました。 今年はうれしいことに、このクープ・デュ・モンドでも、日本チームがみごと2位を獲得! ※詳細は、こちらを参照ください。 上の飴細工が日本チームの作。 非常に丁寧な細工と表現力ある作品として、会場でも話題になっていました。 この熱戦も見たかったです。 と、会場をウロウロしているうちに、ついに来ました、この瞬間が。 ボキューズ・ドール2013の審査発表です。 うわ~ん、緊張してきました。 まずは御大、ポール・ボキューズ氏が登場。 会場はスタンディング・オベーションで偉大なるシェフを迎えます。 続いで審査員、コミッティーたち。 さすがの貫録で登場です。 さらにサーヴをしてくれたスタッフたちが。 ここで会場からも大きな拍手が響き、彼らの誇らしげな表情が印象的でした。 おつかれさま。 最後に戦い抜いた24ヶ国のシェフとチームが国旗を持って登場。 会場は割れんばかりの歓声でものすごいことに。 いやがおうにも緊張が高まってきます。 こんなドラマはなかなか味わえないです。 おまけショットはこちら♪ 舞台には各国の賓客も列席。 私の目の前にいらっしゃるステキな殿方。 一瞬、「オーリー(オーランド・ブルーム)?」と思ったのですが、 こちらはスウェーデンのカール・フィリップ王子。 とってもチャーミングな笑顔を頂戴しました。 Tack så mycket! 審査結果の前には、お約束。 いろいろと別の賞の発表と、エライ方のお話しが。笑 そこで舞台に登場した日本人の女性。 実は彼女は、前回の「ベスト・コミ」、つまり最優秀アシスタント賞を受賞した方。 なんと、今回、出場している浜田シェフのいるホテルブレストンコートに勤務されています。 今回はハッピ姿で応援にまわっています。 前回の大泣きの受賞の模様がスクリーンに。 会場で少し、お話しができる時間があったのですが、とてもしっかりとした印象。大きな男性シェフの間で、とても小さな姿ですが、コミとしての存在力は大きいです。 そして、今回のベスト・コミはイギリスのクリスチャン・カーティス氏が獲得。 すべてが整ったところで、いよいよ結果発表です。 第三位のブロンズを発表するのは、前回の優勝者、デンマークのラスムス・コフォード氏。 彼は2005年がブロンズ、2007年がシルバー。 そして、ひとつ空けて2011年にみごとゴールドを受賞した実力派。 3つの色の異なるボキューズ像を持っている貴重なシェフです。 彼が、静かに告げる。 「ブロンズは・・・」 「ジャパン!」 瞬間、わたしもカメラで日本チームを狙いながら、 思わずガッツポーズ。 シェフとチームと、大きくスクリーンに映し出された応援団に、心の中で「おめでとう」を送る。 やばい、泣きそうになる。 いままでいろいろなヒューマンドラマは見てきましたが、 このときほど感動したことはありません。 涙がこぼれないよう、一瞬、上をあおぐ。 わたしの代わりに、舞台で思いっきり号泣してくれたのがコミの坂下くん。 この瞬間を目標に、浜田シェフとコーチのもと、早朝からの厳しい特訓を耐えてきました。 日本の青年の文句なくピュアな涙に、会場からは心優しい賞賛の拍手が。 発表は続きます。 シルバーの二位を獲得したのは、デンマーク! ボキューズ・ドールに出るのが夢だった27歳のシェフの雄叫びと、それに呼応する応援団。 デンマークのチームへシャッターを切り、テレビカメラをまわしながらも、 メディア席がざわつき出しました。 本命とも言われていたデンマークが二位。 では、どこか一位になるのか。 この時点で、周辺ではちらほらと声が聞こえてきていました。 さすが、グルメ界を熟知したジャーナリストが集結するだけあります。 そして、高らかに読み上げられた優秀チーム。 「フランス!」 それまでよりもさらに、さらに大きなうねりのような大音響の歓声と拍手が会場を包み、「フランス」の文字がスクリーンに映し出されました。 そう、周辺のメディアたちがささやきあっていたのは、彼ら、フランスチームでした。 出来上がりを見ただけですが、フランスチームの創り上げた料理はまさにアート。美しさでは、ほかの追随を許さないものがありました。もちろん、味が大事ではありますが、多くのジャーナリストたちをもうならせる美しさであったことは確かです。 全員、起立してフランス国家、「ラ・マルセイエーズ」が流れます。 なんだかオリンピックみたい。 フランスチームは嬉しいでしょうね。 ゴールド、シルバー、ブロンズを獲得したシェフの記念撮影。 これが、世界に配信されました。 みんな、いい顔です。 もちろん、ボキューズ氏も一緒です。 スクリーンには審査結果が出ていましたが、ここでわたしたちは驚かされました。 肉料理と魚料理が別々にポイントされているのですが、 なんと、浜田シェフの魚料理は優勝したフランスを抜いて、ダントツ、トップの842ポイント。魚料理では、世界一の評価を受けたことになります。 すごい。 ※すべての審査結果は、こちらを参照してみてください。 授賞式が終了後、コーチと共に浜田シェフが日本の応援チームのもとへあいさつに。 おめでとうの言葉とハグでぐちゃぐちゃ。 いつもはクールな浜田シェフのこんな表情を見るのはとっても珍しいこと。 わたしも、お祝いの言葉と握手。 ここに、日本人初のボキューズ・ドール、ブロンズを獲得したシェフが誕生しました。 そして、ここからが浜田シェフの新しいスタート。 さらなる高みを目指して、新しい挑戦がはじまりました。 おめでとうございます!
by naoko_terada
| 2013-02-18 03:48
| トラベル
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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