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さて、すでに何度か記事をアップしていますが、あらためて。 2013年、初の海外取材となったのは、フランス観光開発機構(フランス政府観光局)によるローヌ・アルプ地方の美食ツアー。それもドイツ、ハンガリー、アメリカ、日本、スペイン、イタリア、カナダという多国籍のフードジャーナリスト、ブロガーたちとの多国籍チーム。 日本からは私ひとり、参加させていただきました。 わたしは食のプロではないのですが、日本語通訳のいない中に放り込んでも大丈夫、との判断からだと思います。笑 リヨン、アヌシー、ムジェーヴと美食の地をめぐり、地元のシェフの料理、食材をプロと一緒に堪能。そして、メインはリヨンで行われる若手シェフの登竜門となるコンテスト、ボキューズドール。 これは日本代表として参戦した軽井沢ホテルブレストンコート浜田統之シェフが、日本人として初の3位を獲得したことはご存知の方も多いはず。 その内容は、↓こちらで紹介しています。 フランス ローヌ・アルプ グルメ旅① ボキューズ・ドールで日本人初の快挙、浜田統之シェフが銅賞獲得! フランス ローヌ・アルプ グルメ旅③ ボキューズ・ドール2013 感動の審査結果! 当初、毎晩、その日の取材内容をアップデートしようと思ったのですが、甘かったです。。。 初日はディナーが終わったのが12:30。ある晩のミシュラン3つ星でのディナーは20時にはじまり、終了がなんと夜中の1時。そこからホテルに戻ったのが2時半。 ということで、残りをゆっくりとアップしていきます。 パリを経由して、エールフランスの国内線でリヨンまで1時間。 そこから、滞在初日のホテルのあるアヌシーへ移動。 リヨン空港で待っていてくれたのは観光局が手配してくれたタクシーの気のいい運転手さん。 「前に座るか、後ろかな?いや、前がいいな」という感じで、助手席に座っておじさんと二人でアヌシーまで1時間ほどのドライブ。 英語は得意ではないおじさんと、フランス語ができないわたし。 ところどころ、景色のきれいな場所を通過する際は、「あれを写真に撮れ」とばかりに、いろいろと教えてくれます。それに拙いフランス語の単語で、応答するわたし。 こういうのは日本人が一番、苦手なシチュエーションかもしれません。 でも、せっかくの旅なのだから、楽しんじゃうほうがいい。 少したてば隣に座っている居心地の悪さもなくなってきます。 無事、タクシーのおじさんの運転でアヌシーへ。 ホテルにチェックインすると、部屋には恒例のメディアキット。 観光局の取材では、こういった地図、パンフレットなどのキット一式が手渡され、取材の情報、参考に活用するようになっています。 今回はポール・ボキューズさんのところのエプロンと、アヌシー生まれのフェイスクリームもギフトとして入っていました。 ボールペンはしっかり取材しろよ、ということでしょうね。アヌシーは水がきれいな場所として有名なので、ボールペンがミネラルウォーターのボトルの恰好をしていてかわいいです。これが、とても書きやすくて今も愛用中。手にするたびにアヌシーの美しい風景が浮かびます。 あ、デスクについた汚れはわたしじゃありませんよ。前からついていたものです~。 ホテルはル・プレ・カレ。四つ星ですが、小規模のアットホームな雰囲気のお宿。湖や旧市街へも歩いていける便利なロケーションです。 外気温は1、2℃あたりでしょうか。 寒いけれど、晴れているのでさっそくアヌシーの観光スポットを見てまわります。 アヌシーは昔、スイスのガイドブックのお手伝いをしていたときにジュネーヴから来たことがあったのですが、それは夏のシーズン。 冬のアヌシーは初めてです。 やはり、最初はここから。 アヌシー湖です。 1299mのモンペリエール山、2351mのトルネット山、2198mのラ・サンブイ山といった名峰に囲まれたアヌシーは、フランスで最も透明度が高く、美しいとされる場所。 キリリとクリーンな空気が気持ちいい。 寒いけれど、みごとな晴天。 のんびりお散歩中の家族連れ、ベンチでランチ中のカップルもいらっしゃいます。 足元には、自然がつくりあげた小さなアート。 こういうなにげないことに気づくのは、ひとり気ままなだから。 あらかじめびっしりと日程が組み込まれた取材ツアーの場合、こんなわずかな自由時間が貴重です。 湖沿いの遊歩道をのんびりと、白い息をはきながら歩きます。 夏場はそぞろ歩くカップルの姿が多い、アヌシーの観光名所のひとつ「アムール橋(恋人たちの橋)」も、やはりこの時期はひっそりと。でも、優美な姿が印象的です。 湖をぐるりとまわったので、旧市街へと歩いていきます。 アヌシーは16世紀、サヴォア公国の首都でもあった場所。当時はジュネーブよりも重要な位置づけにありました。ティウー運河沿いの旧市街には12世紀から17世紀に建てられた古い街並みが広がり、散策に最適です。 まず、最初に出迎えてくれたのは、サン・フランソワ教会。1610年にできた修道院で、18世紀にはインド綿の工場だったこともあるそうです。 次に見えてくるのが、運河に浮かぶようなパレ・ド・リル。 最も古い部分は12世紀に建築されたもので、かつては裁判所と牢獄として使用されていました。 パレ・ド・リルから路地に入ると、ぐっと中世の面影が。 石造りのペリエール門はイタリアからアヌシーへの入り口だったところ。門にはアヌシーの紋章、鱒(マス)が見られます。そして、その先にはアンパス・ドゥ・トリポズと呼ばれるゆるやかな坂道。ここから、アヌシーのアイコン的なアヌシー城をめざします。 アヌシー城は1219年、ジュネーブ伯爵によって建てられた古城で、1401年にサボワに併合。17世紀から1947年まで軍の兵舎として使用されていましたが、現在は博物館になっています。 規模はそれほど大きくはありません。 全体を足早にまわって30、40分。 ゆっくり見ても1、2時間ほど。 見学時は、歴史的な収蔵物とコンテンポラリーなアート、インスタレーションのコラボレーションが行われていました。中世の宗教絵画、収蔵品が並ぶ石造りの空間に、ポップなアート、写真などが置かれ、ミスマッチな雰囲気がおもしろい。 日本のお城でもこういったイベントをやるといいかも、と思いました。 アヌシー城を見学後、坂をくだって再び旧市街へ。 17世紀の木造建築の家が並ぶ、メインストリートのひとつ、サント・クレール通りを歩きます。 ちょうど蚤の市をやっていました。 本当なら熱心に堀出しものを物色するところですが、かなり冷え込んできたのと夜の待ち合わせの時間も間近。残念ながら、足早に通りすぎます。 ホテルに戻る道には、ノートル・ダム大聖堂。フランス革命で崩壊されたものを1850年、ネオクラシック様式で復元しています。 聖フランシスコ・サレジオ(フランス語でフランソワ・ド・サール)の家系が暮らした邸宅、オテル・ド・サールは、四季をあらわした胸像、レリーフが美しく現存。 鱒の紋章を街のいたるところで発見。 この後、さまざまなレストランで、実際に味わうこととなります。 旧市街だけなら徒歩で数時間もあれば、十分、楽しめます。 夏なら、レンタサイクルを借りて、湖も含めてより広範囲に動くのもいいでしょう。湖周辺にはごきげんなサイクルロードがあります。 ちなみに、今年100回記念を迎えるツール・ド・フランス2013でも、アヌシーは通過都市になっています。開催は6月29~7月21日。 ※ JSportsサイトはこちら。 さあ、ホテルに戻りましょう!
by naoko_terada
| 2013-03-21 06:32
| トラベル
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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