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先週は憂鬱だった。 ルーマニアでの女子大生の殺人、ジャーナリスト山本美香さんの死亡。 日本人の女性が海外で命を落とした。 ルーマニアの事件について「海外での安全」に関するコメントが欲しいと、某ワイドショーから連絡があった。それが、翌日、「シリアの日本人女性ジャーナリスト死亡のニュースが入ったのでルーマニアの件はペンディング」と。 コメントが使われなくなったことは構わないし、社会的な観点から 山本さんがお亡くなりになったことを優先的に報道することも理解できる。 でも、同じ女性として、 年齢も、生きてきた環境も違うものの、 どちらも自分の手で人生を開いていこうとしていた女性二人が、志なかばで命を落としたこと。 それに優劣をつけたくない。 報道されることがいいことかは別の問題ですが、どちらも尊い命であったことに代わりはないのだから。 それにしても、本当に悔やまれるのがルーマニアの件。 なぜ、あんな状況になってしまったのか。 不自然な場所で、タクシーを降りるなど、絶対、「?」と思う瞬間はあったはず。 勇気を出して、どこかで「ノー」と言えなかったのか。 言ってほしかった。 それとも、純粋に信用してしまったのか。 被害にあわれた彼女は、人の善意を信じる優しい女性だったのだろう。 海外でのインターン体験を楽しみにしていたはず。 そう思うと、哀しく、やるせなくなる。 多くの日本人は(私も含め)、「相手に失礼になるかもしれないし」と遠慮して、断ることが海外ではできないことが多々、ある。 ほとんどの場合は、何ごともなく、杞憂に終わるだろう。 でも、残念ながら今回のような痛ましい事件に巻き込まれる可能性はある。 それだけは絶対、忘れてはダメだ。 「安全はお金で買え」 ワイドショーのコメントで私が伝えたのがそれ。 ・最新の海外安全情報の確認をする。 ・深夜便にしない。 ・夜の移動はタクシー、それでも不安であればホテルの送迎を頼む。 ・環境の悪い安宿に泊まらない。 ・誰かから荷物をあずからない、もらわない。 ・海外旅行保険に入る。...etc. あたりまえすぎるほどにあたりまえのこと。 でも、それが、余計な不安や危険を避ける最大の武器だ。 現金や荷物を取られるだけならいい。 でも、命を。 さらに、女性はレイプという大きな傷を受けることを避けるための危機管理。 海外で出会った人たちをすべて信用するな、とは言わないけれど、 少しは疑ってみる気持ちは心のどこかに宿しておいてほしい。 海外旅行を楽しい思い出にするために。 笑顔で、自分のことを大切に思う人たちのところに戻るために。 「断る勇気」を持ってほしい。 いや、常に持つべきだ。 「チキン(臆病)」と言われようが、「カッコ悪い」と言われようが、 あるいは、「お金がかかってしまう」と思っても。 安全はお金で買い、そして、「断る勇気」を持つこと。 自分自身を守るのは、自分だということを、どうぞ忘れないでください。
by naoko_terada
| 2012-08-27 19:19
| トラベル
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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