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優しい人たちが集まる場所 山口・円座と竹部徳馬さんの灯りこぼれる作品
もう、7、8年ほど前。
いきなり、初めて電話をしたときのこと。


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「もしもし、えっと、東京でライターをやっている寺田ともうします」

「はぁ?」

「はい、えーっと、東京からかけています。実はですね、そちらのリュースを記事にしたく...」
※リュースに関しては→コチラを。

そんな会話がここ、山口・小郡にある円座との出会いのきっかけでした(当時はライフという名前でした)。
電話に出てくれたのはぶっきらぼう、だけど実はとってもウォームハートな持ち主の圭一郎くん。彼は息子さんで、当時はお店の店長。今では一児のパパ。ナイスガイです。
以来、今ではおうちにお泊りさせてもらうほど、もはや家族に近い大好きな関係をありがたくも頂戴する大好きな場所。

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以前は北欧雑貨の専門店でしたが、ここにきてお店の形態が少し変わりました。
よりニュートラル。和も洋も含め、気持ちのいい場所であること。それに昇華してきたように思います。真っ白な清潔感ある店舗は、デンマーク仕様のデザインハウス。オーナーである藤井さんは実はデザイナー。山口デンマーク協会の代表でもあります。

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下階はより、生活をちょっとステキにするセレクトアイテム。
そして、2階はランチをいただける隠れ家的なブックカフェに。最近はフラワーアレンジメントやクラフト体験などのワークショップをやっていて、ちくちく大好きな奥様、女性たちに大人気。

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わたしの「フランスの美しい村を歩く」もちゃっかり置いてもらってます。

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お料理は私が大好きな奥様であるTさんの手料理をベースにした家庭的なメニューが不定期に日替わり・月替わりで味わえます。いいんですよ、これがほっこりと美味しく。

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そして、今、円座がコラボレートしているのが山口在住の木工アーティスト、竹部徳真さん。

赤松を極限まで薄くくりぬいて作る彼の作品は、灯りをともしたときに真価を発揮します。
やわらかく、でも存在あるきらめきは、どれも同じものがひとつとしてないまさにワンアンドオンリー。心をぬくませる温かみをたたえています。

そんな大好きな場所へ、人に会うために明日、山口へ。
この8年ほど成長を見てきたお嬢さんであるMちゃんの結婚式にご招待いただきました。
学生だったときから明るく愛らしい彼女でしたが、就職をして芯のある前をまっすぐ見つめるステキな娘さんになりました。お婿さんはずっとおつきあいしてきた彼。
彼女の新しい人生を祝うため。
ご両親と共に祝福にうかがいます。
# by naoko_terada | 2016-09-09 23:50 | 日本 | Trackback | Comments(0)
台風に揺れる日本、生産者・産地を想う
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台風が連続して上陸した北海道。冠水などで多数の農業被害が出ています。
北海道だけではなく、日本各地でも大小さまざまな形で。

先日、台風9号が過ぎた直後。
成田空港から東京へ戻るN'EXの車窓からは強風でねこそぎ倒れた稲と田んぼが続き、痛々しかった。刈り取る間際のたわわに実った姿が余計にやるせない。千葉では過去10年なかった被害とのことです。

春、田んぼに水がはられ、田植え。
若々しいグリーンの早苗からしっかりと成長した姿を見せる盛夏。
そして、黄金色に首をたれる稲刈りの季節。
空港へ向かう際、四季折々の日本の田園風景はわたしはもちろん車内にいる海外からのお客様たちをも感動させるものでした。
それゆえに、延々と続く稲の倒伏は涙が出るほどつらかった。

農作物の被害は当然、価格高騰や品不足による生活・ビジネスへのしわ寄せを生みます。
何よりも手塩にかけて育ててきた生産者に甚大な影響をもたらします。

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ここ数年、地方を旅することが増え、全国で生産地・生産者のみなさんのもとを訪問する機会も増えました。

昨年10月、青森を訪れたときのこと。

収穫直前の真っ赤なリンゴが実るあたり一面の畑を見るのは圧巻でした。
リンゴは太陽の光を受けることで赤くなっていきます。まんべんなく果皮を赤くするために根本に銀色の反射シートを敷くなど、手間ひまがかかっています。また、受粉・摘果など多くの作業が手仕事です。
青森で採れたてのリンゴをむいて食べさせてもらったとき、今まで食べてきたものとこんなに味が違うのかと驚愕したほど。
それほどみずみずしくおいしかった。

そんな訪問直前に県内を爆弾低気圧が発生、多数のリンゴが落下。キズもの、腐るなどの被害が出ました。こうなるとジュースやジャムなどの加工品にしか使えず、買い取り価格は極端に落ちます。
どんなにやるせないことか。

岩木山をのぞむ、弘前のりんご公園を訪れた際、下に落ちているリンゴをひとつひとつ丁寧にひろっている作業員の方の姿が印象的でした。生活の糧であるのはもちろん、大切に育ててきたこどものような存在なのかもしれません。

米作でも、リンゴでもワイン造りでも、もちろん漁業も。私たちのもとに届く美味しく高品質な食べ物はすべて生産者のみなさんの多くの労働と情熱が支え、生み出したもの。現場でそれを見ることで、食卓にのぼる料理、あるいはスーパーで手にする野菜や果物や魚を適正価格で買う意味、ムダなくきちんといただくことの大切さをじんわりと感じるようになりました。
それ依頼、消費者として意識を持って選び取ることをこころがけています。
値段の背景にある手間ひまを思い出しながら。

「食育」とはこどもたちだけのものではなく、実は大人にこそ必要なことかもしれません。
# by naoko_terada | 2016-09-06 12:04 | 日本 | Trackback | Comments(0)
盛り上がるオリンピック 発祥の地 ギリシア・オリンピア


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ブラジル・リオのオリンピックもいよいよ佳境。
寝不足の人も多いことでしょう。

そんな時期なので、ギリシア・オリンピアをさっくりとご紹介です。
ギリシャのペロポニソス半島という場所にあるオリンピアは古代ギリシアの都市。名前からもわかるようにオリンピック発祥の地として知られています。現在は世界遺産に登録されています。

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ギリシャを代表する観光名所となっていて、大勢の観光客が訪れます。特に夏のシーズンはクルーズ客も多く、私もそうでした。雲ひとつない青空、乾燥した平坦な土地に古代の都市遺跡が広がります。

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もともとオリンピアは神々の王となったゼウスの聖地としてあがめられてきました。オリンピックもゼウスをたたえる祭典として始まったとされています。ゼウス神殿など多くは崩壊したまま、柱や壁が残るだけというものもありますが、これらが紀元前に建てられたものかと思うと感慨深いです。

遺跡のハイライトのひとつが、ここヘラ神殿。

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ヘラはごぞんじゼウスの妻。
でも、実は姉でもあるというビックリな関係。
英語ではジュノーと呼ばれ、結婚の女神としても知られています。ジューン・ブライドもここからきています。

そして、ここがオリンピックの聖火が点灯される場所となっています。
オリンピック開催年には、古代ローマの衣装をつけた女性たちが太陽光を集め、聖火をともします。
2020年の東京オリンピックのときに燃え上がる聖火もここから運ばれてくるわけです。

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遺跡の周辺にはオリーブの木々がたわわに実をつけて茂っていました。オリーブはまた、ゼウスの象徴。勝者の頭上を飾る冠がオリーブでできているのにも必然性があるわけですね。

リオのオリンピックも残すところ数日。
21世紀のオリンピアンたちの雄姿を、最後まで応援し、見守りたいと思います。
# by naoko_terada | 2016-08-20 06:12 | トラベル | Trackback | Comments(0)
シェムリアップ・レストラン Marum。おいしく食べたお金が子供たちのためになる

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きっかけは滞在していたホテルの部屋に置いてあったフライヤーでした。

"Unique products handmade by parents so their children can go to school"
「両親手造りのユニークな商品で、子供たちが学校へ通うことができます」

シェムリアップにある恵まれない子供たちとその家庭をサポートする団体が運営するショップでした。アジアではこういう機関、施設を見かけることが多く、機会があれば利用するようにしています。内容を読むとレストランもあるとのこと。場所をグーグルでチェックしたら、ホテルからそれほど遠くない(だから部屋にフライヤーが置かれていたのでしょうね)。ちょうどディナーの時間も近い。行くことにしました。

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トゥクトゥクで5分ほど。
レストラン、Marumに到着です。
川沿いのメイン通りから脇道に入ってすぐ。周辺は庶民的な雰囲気です。
ショップカードには、A Training resutaurant for marginalized youth と書かれています。
そう、学校に行けない地元の青少年に社会に出た際に役立つ能力を教育する施設なのです。おそろいのTシャツにはStudentの文字。先生たちの背中にはTeacherとあります。

冷房の効いた室内と、テラス席があり、迷わずテラス席へ。

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まずは、おすすめのオリジナルカクテル「フローズンマンゴー・アンド・ココナッツ・ダイキリ」。これで3米ドル。うん、さっぱり冷えていておいしい。これで、クールダウン完了。

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飲みながらだらだらつまみたかったので、料理はアペタイザー的なものをチョイス。こちらは、見た通り生春巻き。中身はロメインレタスにヤギのチーズとローストしたパプリカ。甘酸っぱいタマリンドソースでさっぱりと。お値段は4ドル。

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気に入ったので翌日も行ったのですが、そのときにオーダーしたのは揚げた春雨のサラダ。豆腐とさつまいもが入った揚げ春巻きがのったボリュームたっぷりのひとさら。トレーニングの女性スタッフが「一番人気です!」と太鼓判。確かにクリスピーで美味しかった。これも4ドル。

途中、先生にちょっとお話しをうかがう。
「彼らに給料を払うことはありません。代わりにサービス業の実地訓練、加えて英語の学習などを行い、学校との両立を図りながら将来のためのスキルを身につけさせます」

トレーニングの一環なので、接客も英語力もただたどしい。わたしのテーブルに料理を持ってきた子の後ろから先生が、「お皿のどっちがお客様の前にくるか考えなさい!」ときびしくチェック。きっちりとしたプロの仕事ではもちろんありません。でも、少しずつ現場でトライアンドエラーを重ねていくことが大事。わたしたち観光客が楽しく、おいしく飲んだり食べたりして支払ったお金が彼らの支援につながるのであれば、うれしいわけです。

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店内はカラフルでかわいい。奥行きがあり、2階にもテラスが。グループ対応もばっちりです。

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エントランスには支援企業、個人名が飾られていました。

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トイレに入ったら、壁にこんなポスターが。
「貧しい子供たちにお金をあげる前に、もう一度考えてみてください」
フラジャイルは彼らの心を指すのでしょう。その前に行ったトンレサップ湖での顛末もあり、わたしも考えます。刹那的なお金で解決せずに、大人や社会が動くこと。それが真に子供たちの健全な暮らしと夢を支えるのだと思います。

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テーブルには1ドル、お会計に加えることで子供たちが救われますとのメッセージ。よろこんで払いましょう。

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レストランに隣接して、ショップがあります。
名前はFriennds'N'stuff

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メインドイン・カンボジアの手づくり雑貨、Tシャツ、トラベラーズグッズなど。貧しい家庭の雇用を生み、結果、子供たちが学校へ行くことができます。

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わたしの目をひいたのが、これ。
不要になったスプーン、フォークなどをていねいに曲げて加工したアクセサリーです。

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バングル、リングなどいろいろ。

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わたしはあんまり大ぶりのアクセサリーはつけないのですが、意外性もあり、センスのある人がつけたらおしゃれかも。飲食関係者とかにも。

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驚くのは値段。
リングは2.50ドル。ロングネックレスでも6ドルです。

Tシャツやら旅行用のランドリーバッグ、そして上記のアクセサリーをあれこれ購入。いいお土産になりました。

シェムリアップに行かれたらぜひ、一度訪れてみてください。
スタッフの微笑ましい接客と、社会支援。どちらも体験できる貴重な場所です。
# by naoko_terada | 2016-08-03 23:57 | トラベル | Trackback | Comments(0)
シェムリアップで出会ったトゥクトゥクドライバーVibolさん


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広範囲に広がる遺跡見学や、ナイトマーケット探訪などシェムリアップでの移動に欠かせないのがトゥクトゥクです。タクシーもありますが地元の人も観光客もいたるところで見かけるトゥクトゥクを気軽に使いこなしています。

しかし、これがメーターではないので交渉が必要です。
ただ、観光客向けの相場があるようです。ちなみに滞在していたビクトリア・アンコール・リゾート&スパからナイトマーケットまで片道2ドルでした。

今回、わたしが滞在中、通しでお願いしたのが上の写真のショッキングピンクのシートがド派手なこちら。ドライバーのお名前はVibolさん。

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このVibolさん、とっても誠実でしかも英語が堪能。
最初にアンコールワット遺跡めぐりをお願いして気に入ったので、翌日のトンレサップ湖、さらに帰国時の空港までの送迎もお願いしてしまいました。

彼との縁は偶然でした。

当初、遺跡めぐりは一ヶ所づつ個別にトゥクトゥクをその場で見つけて移動する予定でした。遺跡にどれだけ時間をかけるかわからないし、チャーターだと待ってもらうのがしのびないので。
そこで、ホテルのコンシェルジュにトゥクトゥクの相場を聞くと、「一ヶ所まわるだけで12ドル」とのこと。うわ、結構、高いのね。
「何か所かまわるのであればチャーターが絶対、オススメ!ドライバーは待つのはまったく苦にしないから大丈夫ですよ。アナタがまわりたい遺跡だったら18ドルで全部、連れていってくれます」と強くいわれたので、ではチャーターにしましょう、と。

コンシェルジュがホテルのベルにトゥクトゥクを呼んで手配してあげなさい、と告げてくれる。
ベルマンとホテルのエントランスに出て、外で待機している複数のトゥクトゥクに手をあげて1台、呼ぶ。
1番前で待機していたトゥクトゥクが来る。ベルが、わたしがチャーター希望でこれこれとここに行きたいという旨を告げると残念そうに「ノー」の返事。
すでにほかのアポが入っている様子でした。

ということで次のトゥクトゥクを呼ぶベルマン。
やってきたのが、Vibolさんでした。
こちらに向かってくるショッキングピンクのシートを見ながら、「うわぁ、あれかぁ」と心の中で思う(苦笑)。

ベルの言葉にすなおにうなづくVibolさん。値段はもちろん18ドルで問題なし。
わたしを乗せてショッキングピンクのトゥクトゥクはアンコールワットなどの遺跡めぐりに出かけたのでした。

遺跡に関してははしょりますが、結果、とても親切でさらに運転もおだやかで安心感があったのでホテルに戻ったところで、「明日、トンレサップに行きたいのだけれど空いている?」と聞くと、「大丈夫」との答え。
「料金は?」というと「15ドル」。
いいでしょう。20ドルを出して、「18ドルは今日の分、残りの2ドルは明日の前金」と手渡すとうれしそうに、「サンキュー」と返してくれる。

トンレサップ湖での顛末はコチラを見てもらうとして。

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以前はバイクで商売をしていたようですが、「もう年なのでバイクは疲れてきてねー」とトゥクトゥクに商売替えをしたとのこと。子供は二人。この仕事で家族を養い、学校にも通わせているのだから立派。いいお父さんです。

ホテルから空港までは片道6ドル。普段は道が悪いので夜間は仕事をしないそうですが、わたしのために特別に送ってくれました。トンレサップ湖までの代金の残り13ドルとチップ1ドルを含め20ドルをわたしてお礼をします。

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もし、彼のトゥクトゥクをチャーターしたいなら連絡先はこちら。
通常、ビクトリア・アンコール・リゾート前で待機するとのことです。英語が堪能ですが、予約をするのなら滞在ホテルの人に電話をかけてもらうといいかと思います。最後の数字は7。12968537です。


ショッキングピンクのトゥクトゥクに乗って観光にGO!
いかがですか?
# by naoko_terada | 2016-07-26 11:30 | トラベル | Trackback | Comments(0)
トゥクトゥクに乗ってシェムリアップから悪名高きトンレサップ湖へ②
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ということで始まった2時間クルーズ。
いちおう、ボートは私だけの貸切り。スタッフが乗り込んできます。

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さらに意味もなくどんどん乗り込んでくる。
わたしの何人かの友人が、同じくトンレサップ湖クルーズをチャーターしたところ、湖の途中でボートを止められて、「チップをよこせ」とスタッフに囲まれたという話がよぎります。

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結局、こんな感じ。笑
あ、左側に座っているニコニコした人の好さそうなおじさんはわたしのトゥクトゥクドライバーさんです。クルーズ中、「待ってる」と言ってくれたのですが、「もしよければ一緒に乗らない?」と誘ったのでした。クルーズスタッフに聞くと、「(地元の人間は)無料」とのこと。じゃあ、チャーターだし、席はあるし、2時間も昼寝してもつまらないでしょ。と誘うと、「え、いいんですか?」ととまどいながらもうれしそう。こういう外国の観光客向けのクルーズに乗ることはまずないはず。ということで、ドライバーさんも同乗。
珍道中です。
あ、手前にはまったく浮力がない役立たずのライフベスト。苦笑

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まずは、ミルクコーヒー色の入江をゆっくりと進みます。

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わたしが訪れた5月は乾期のため水位が低く、さらに湖の面積も縮小されていました。だから水上生活の村がある湖の中央までしばらく入江を進むことになります。
地元の人たちが操る小さいボートが疾走する横をのんびり、風を受けながら進みます。水深1メートルもないそうです。

わたしとドライバー以外に乗り込んでいるのは船長のほかに若いお兄さんが3人。ただし、ひとりは途中で降りたので便乗していただけの模様。残る2人が船長のアシスタントといった感じです。

その中のひとりの青年がかなりキレイな英語で話しかけてきました。
まずは、お決まりの「どこから来たの?」という質問。
経験からこういう場合、「日本から」と答えるといいカモだと思われる傾向にあるので、わたしはいつも「日本人だけど海外で暮らしている」と答えます。タフな外人ツーリストに思わせるほうが相手も、ぼったくれないと判断するからです。

そして彼との会話からトンレサップ湖のクルーズ事情がなんとなく見えてきました。

水上村出身の青年いわく、
「以前はいくつかクルーズ会社があったけど今はひとつ」
「水上村はとても貧しいのでお金が必要」
「観光客の買ってくれる食糧などが大事」
「自分たちも安い賃金で働いている」などなど。

すべてを信じる理由も、まったくウソとも判断できないのでここは聞き流しておきます。

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案の定、途中で「水位が低いので水上村まで別の小さなボートに乗らないと行けない」と言ってきました。
「いくらなの」と聞くと、「20ドル」だという。
あきらかに法外な値段。クルーズ料金として30ドル払っているので、それを足したら50ドルです。カンボジアの平均月給が1~3万円とのことですからありえません。

「じゃあ行かなくていいです」

そう言うと、外国暮らしのおばちゃんにはこれ以上言ってもムリ、と判断したのかどうか。意外に、「わかった」とあっさり。
代わりに、「ひと休みしにあそこに行きましょう」と指差したのがこんな感じのボートハウス。立ち寄りは無料とのことなので、経験として見てみましょうか。

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ボートを寄せて中に入ると木のフローリングの休憩兼みやげもの屋といった風情の空間。

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自称「クロコダイルファーム」と呼んでいる淡水ワニの水槽もあり、「見る?」と聞かれるので、すかさず「見ない」と即答。おみやげグッズもまったく興味がわかないものばかり(苦笑)。
これで商売になるのでしょうか。

それでも、風が吹き抜けるテーブルは心地よく、冷えたローカルビールの「アンコール」を1ドルで購入。
※ちなみにビールは遺跡など観光地ではまずどこも1ドルでした。

トゥクトゥクドライバーさんにもコーラをご馳走してあげて二人で竹のテーブルに座ってしばし、湖を眺めながらのーんびり。観光客を乗せた何隻ものボートが行き交います。

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さて、ビールブレイクを終え再び船上に。
船長のアシスタントの青年が、「水上学校を見ないか?」と聞いてきた。

きたきた。

トンレサップ湖でネット検索すると多くの観光客が、学校訪問をするためには貧しい子供たちのために食品などを買わないといけないと言われ、理不尽なほど高い値段を請求されたという記事やブログが見つかります。こういった水上生活の村はほかにも見たことがあるので、「行かなくていい」と返そうかと思ったのですが、どんな手口でブログの記事のような流れになっていくのかちょっと知りたい。そこで、あえて行くことに。
貧しい子供たちのためになることであれば、という思いもあったわけですが。

案の定、「学校に行く前に水上スーパーに寄っていきましょう」と青年。

「スーパー?」
「そうです。地元の人たちの唯一のスーパーです。もし、何か気に入れば学校の子供たちのために買って持っていきましょう」
「値段は一般のスーパーと同じなの?」
「もちろんです!(ニッコリ)」

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しかし、中に入れば一目瞭然。ここはスーパーじゃあない。売っているのは水、米、それにカップラーメンくらい。地元の人たちが日用品・常用品を買いにくるような場所ではありません。
壁には「To buy products here is helped the poorest villagers in this community(ここで商品を購入することが最も貧しい村人たちを助けます」というメッセージ。

中には数人の男性が。
料金を聞くと、米30キロが30ドル、50キロが50ドルとのこと。
うわぁ、とんでもない値段。おそらく10倍くらいふっかけていることと思います。

「これはローカルプライスじゃないよね」
「いえいえ、そうですよ」
「我々もお給料なしでボランティアでここで働いているんです」
「観光客のみなさん、買っていきます」

これはもう、組織的なものなんだなぁ、とこのやりとりで実感。
観光客の好奇心と善意を悪用したシステム。ブログで非難されるワケです。

とはいえ、ここに暮らす人たちが決して豊かな生活を送っているとも思えません。
子供たちの環境も推して知るべしです。
実際、ボートを走らせていると粗末な木造の手漕ぎ船に乗った母親と、まだ3歳ほどの汚れた服を来た子供。その子の首にはヘビが巻きついています。小銭を渡せばヘビの写真を撮らせるよ、というジェスチャー。よく見れば母親のおなかが大きいのがわかります。妊娠中です。なんともやるせない。
刹那的なほどこしが彼らの人生を変えることはないとわかっていても、思わず1ドル札をにぎらせます。

そんなことがあった後での自称スーパーマーケット訪問。
いろいろ考えます。
逡巡したあと、目の前の男性に告げる。

「じゃあ、30キロのお米を買います」

法外な値段だし、おそらく払ったお金の大半は本当に必要な人のもとへは行かないでしょう。でも、多少なりとも子供たちにごはんを食べてもらうことができるのであれば払おうとわたしは考えたのでした。
買ったら自分たちがあとで学校に届ける、というので「自分で持っていくから」と青年たちにたのんでボートに乗せてもらう。

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買い上げた米をのせて、ゆっくりと学校へ向かいます。
「Charity rice to help poor people」の看板が目につく。

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学校とも呼べない簡易の屋内では、授業を受ける子や遊びまわる子供たちの姿。寄付するものを持ってきた人間にはあいさつをするようにしつけられているのでしょう。英語で「サンキュー」と口ぐちにわたしに向かって言ってくれます。意外に身ぎれいでさきほど粗末なボートに乗って物乞いをした子供のような必死さはありません。学校が受け皿になっているからでしょうか。

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青年が台所に連れていってくれました。
炊いたごはんと、ちょうど魚料理を作っているところ。
驚いたのは食用の水。水上生活ゆえの衛生面の不備が際立ちます。

子供たちがキチンとした教育を受け、安定した環境で暮らすためにも観光客の落とすお金は貴重です。
それゆえに、「ぼったくり」と呼ばれるような現行のシステムは大きな可能性をつぶしているようにわたしには思えてなりません。そこに気づいて現状を変えることができるのは地元の人たちであるべき。
次世代の若い人たちが希望です。

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複雑な思いを胸に、帰路につく。

隣に座った青年に語る。

「これはアナタに言ってもしょうがないことかもしれないけれど。貧しい人や子供たちを助けることは大切。だけれど2時間のクルーズに30ドルも払っている観光客にさらにモノを買わせるシステムはおかしいと思わない?」

来るとき、「自分でビジネスをしたい」と語った青年はじっと前を見つめて考える。

「観光客は貧しい人たちの暮らしを見たいのではなく、ここにしかない生活環境を教えてほしいの。それを伝えることができるのがここで暮らすアナタたち。トンレサップ湖に来てよかったって言われたらうれしいよね」

かるくうなづく青年。


やがて、船着き場が見えてきました。
2時間のクルーズが終了です。


結論として、ある程度、英語での交渉や不要な提案に対して「ノー」ときっぱり拒絶する強さがなければ個人でチャーターするのは現状、おすすめしません。シェムリアップのホテルからの送迎とガイドがついた現地発ツアーを予約をするのが最もいい方法でしょう。わたしが今回支払ったのはシェムリアップからのトゥクトゥク代15ドルとクルーズ代30ドル。現地発ツアーも同じくらいの料金で見つかるはずです。

船着き場にはこれから乗船する中国や韓国人のグループ。
カンボジアは観光客も受け入れ側もこれから多くのことを学習し、成熟していくのでしょう。
きちんとしたサービスを提供してその対価を得る。
そこからが、はじまりです。
がんばってね、青年たち。

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# by naoko_terada | 2016-07-19 05:39 | トラベル | Trackback | Comments(0)
自由人「The Chef and his dishes 人間力レストラン」

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食と日本の風土に根付いた暮らしを真摯な姿勢で提唱する雑誌が、自由人

その最新号はズバリ、食と職。
日本人シェフ、料理人たちにフォーカスした読み応え、見応えのある一冊です。

巻頭には評論家・山本益博氏と、友人でもあり世界のベストレストラン50の日本評議委員長中村孝則氏のインタビューが圧巻。

わたしは、「わたしのベストレストラン」という企画で青森県弘前にある愛すべき1軒をご紹介。

実は候補は2軒ありました。
熟考のすえ、ここに決定。
その理由はぜひ、誌面でごらんください。

食は文化です。
お取り寄せが便利な時代ですが、やはりその土地で生まれたものはそこで味わってこそ。
なぜ、これが生まれたのか。
気候風土、歴史など。その背景も含めての郷土料理といえます。
それこそが、ガストロノミー。

これを読めば、いますぐ旅に出たくなります。
まずは、身近なレストランから、ぜひ。

おいしい一冊を召し上がれ。
# by naoko_terada | 2016-07-02 22:28 | 掲載メディア | Trackback | Comments(0)
宝島社 GLOW8月号 「鉄道の旅が楽しい!」


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あいかわらず自然体で個性あふれるキョンキョンが表紙。
GLOW8月号。

この企画のお誘いがあったときは、本当にうれしくて興奮しました。
うしろのほうのわずか4ページですが、
テーマは「GLOW世代にもブーム到来!鉄道の旅が楽しい!」。

鉄道ジャーナリストの渡部史絵さんとわたしの対談形式で、最新の観光鉄道ニュース、鉄道旅の魅力、女性ならではの楽しみ方などがぎっしり詰まっています。

ななつ星、北陸新幹線、現美新幹線など魅力的なコンテンツが次々に登場し、じわりじわりと女性のファンも増えている鉄道の旅。普段から旅のひとつのスタイルとして楽しんでいるわたしとしては待ちに待った企画。インタビュアNさん、編集担当者Yさんをまきこんでの楽しい対談となりました。

先日、偶然発見した「寺田駅」とのツーショットもちゃっかり掲載してもらい、満足、まんぞく。

ドラマチックなロケーションの中、全国を快走する人気鉄道の情報もバッチリ。
ぜひ、ご参考にしてください。
# by naoko_terada | 2016-06-27 07:00 | 掲載メディア | Trackback | Comments(0)





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