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2015年の思い出と出会いに感謝をこめて


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2015年が過ぎようとしています。

この一年は災害、テロ、難民問題など多くの課題を突き付けられた年でした。
安全に旅をすることのむずかしさを痛感した一年でもありました。

そんな中でも、旅を通じてよりよい未来のため、こころざしを持った方たちと出会う機会を得ることができたのは私にとって大きな喜びであり、励ましになったものです。
彼らの思いを受け止め、それを広め、伝えること。トラベルジャーナリストとしての役割をあらたに感じています。

今年一年、多くのみなさまとの出会い、サポートをいただきました。
心から感謝しています。

来年はその縁をより強めていくこと、そしてさらに多くの方たちとの出会いから学び、みなさんにとって意味のある記事、情報を伝えていきたいと思っています。

どうぞよい年末年始をお過ごしください。
来年もハッピー・トラベルデイズをよろしくお願いいたします。


感謝
by naoko_terada | 2015-12-31 04:24 | その他 | Trackback | Comments(2)
サムイ島 インターコンチネンタル サムイ バーンタリンガム リゾートへ Vol.3
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さて、ごはんの次に楽しみなのが、リゾートでのスパ。

ここ、インターコンチネンタル サムイ バーンタリンガム リゾートのスパは、Baan Thai Spa by Harnn(バーン・タイ・スパ・バイ・ハーン)。オーガニックな天然植物由来の上質なスパプロダクトで知られるHARNN(ハーン)の直営。こだわりの空間とトリートメントに期待も高まります。

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スパがあるのはリゾートの山側のそれも、一番上。
熱帯の森の中を歩いていくのもいいですが、リゾートスタッフにカートで連れていってもらいましょう。
タイ建築のスパ棟に入ると、柔らかなフレグランスが香り、タイ人スタッフがワイと呼ばれる両手を胸の前であわせる歓迎の礼を示してくれます。チークウッドのフローリングにアンティークな調度品、ベンジャロン焼きのオブジェなどムードもたっぷり。

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まずはウェルカムハーブドリンクをいただきながら、問診票に記入するいつもの通過儀礼。今日はもう取材もないし、ミディアム程度のプレッシャーでリラックスモードでいきましょうか。

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今回、わたしがお願いしたのが180分間のシグネチャートリートメント、トロピカルサムイ・パッセージ。
トリートメントルームは4室のプライベートルームに1室のタイマッサージ専用ルーム、そしてこの写真のカップルスイートが1室。今回は特別にひとりですがこの部屋を使わせてもらいました。その理由というのが...。

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こちらのカップルスイートに備わったバルネオバスです。
バルネオとはドイツ語で温泉の意味。ドイツではバルネオセラピー=温泉療法という概念で温浴が健康促進に活かされています。
バーン・タイ・スパのこの施設は、真ん中のブルーの陶器から良質のハーブを加えた蒸気がふきあがります。それをたっぷりと吸い込み、あわせて体を温めるというハーバルスチームをトリートメント前に受けます。時間にして約15分。これが思っていた以上に体を浄化させ、内臓から温められ不思議な爽快感。サウナのロウリュのようなものですね。最高に気持ちがいいです!

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シグネチャートリートメントのトロピカルサムイ・パッセージの特徴はココナッツを使うこと。まず砕いたココナッツの実でスクラブ、その後、硬く焼いた殻をくりぬき、そこに温めたお湯を詰めたものでゆっくりとストロークをかけて凝り固まった筋肉をときほぐしていきます。
最後の仕上げに純正のココナッツオイルをつかってじっくりとマッサージ。スチームで温めた体はトリートメント効果の効きめも高く、もうとろとろ。。セラピストもポイントを的確につかみ、緩急いれてのマッサージはかなりのもの。これは連日通いたいレベルです。

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たっぷり3時間、とろとろになったボディはふっくらと柔らかく、そして驚くことにまだ発汗。ハーブスチームの効果を実感します。
ラウンジに移動して温かいハーブティ。これはハーンのオリジナル。ホワイトマルベリーをローストしたハーブティーをチョイス。そこにカモミール&ラベンダーのハーブオイルを一滴たらしていただきます。あわせるのは香ばしいバナナチップス。お茶やオイルなどのハーンのプロダクトはリゾートのブティックで購入も可能。私も仕事先の女子たちにあげるためにいくつか買って帰りました。

ほっとひと息ついて、心身のリフレッシュを楽しみながらも時計をちらり。
もう少しゆっくりしていきたいところですが、あわただしくチェックアウト。急いでカートを呼んでリゾートのメイン棟へ行ってくれるように頼みます。

そう、ここでのトワイライトタイムを逃すことはできませんからね。

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by naoko_terada | 2015-12-28 19:09 | ホテル&リゾート | Trackback | Comments(0)
倉敷・大原美術館 世紀のコレクション東京へ!国立新美術館にて「はじまり、美の饗宴展」1月20日から開催
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先日の岡山・倉敷旅の途中、
うかがったのはやはり、こちら。愛すべき大原美術館です。

今回は特別なご配慮で、撮影を許可していただきました。
営業ご担当マネージャーのM様、ありがとうございます。

おごそかな雰囲気のイオニア様式の本館は薬師寺主計の作。たおやかな倉敷美観地区の風情との対照が際立ちます。

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エントランスを入ってまず目に飛び込むのが、児島虎次郎の『和服を着たベルギーの少女』。

大原美術館は、倉敷の実業家であり篤志家であった大原孫三郎が1930年に創設。そのもととなったのが同じく岡山県出身の画家・児島虎次郎がヨーロッパ各地で収集した充実の美術コレクションでした。
倉敷という日本の歴史・文化に欠かせない場所で、古典から西洋近代美術、さらには日本の近代洋画、民藝など国内外の名品・逸品をあらゆる人に提供する。そして、そこから豊かな感情、美意識を創造すること。それこそが使命との思いから、今も孫三郎と虎次郎の意志を引き継ぎ、良質なコレクションを拡充し、若手アーティストの支援などを積極的に行っています。

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セガンティーニの『アルプスの真昼』、レオン・フレデリックの大作『万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん』、モネ『睡蓮』など、珠玉の作品が並び圧巻です。ピアノのあるギャラリーでは定期的にコンサートも開催されます。

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ゴーギャン『かぐわしき大地』は、大原美術館を世界にしらしめたコレクション。

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私がこよなく愛するエル・グレコの『受胎告知』。この作品を観るためだけに倉敷に来たこともありました。

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建物の空間も秀逸。春にはここから除く満開の桜がきれいなんですよ、とMさん。ご自身も美術志望だったというだけあり、芸術と大原美術館を愛する情熱が伝わってきます。

大原美術館は本日12月24日から年末年始のおやすみに入りました。
そして、アートを愛する人に朗報。この大原美術館のコレクションが来年1月から六本木の国立新美術館で開催されます。
題して、「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」

なんと、今まで門外不出の作品も今回は堂々の展示とのこと。ピカソもモネもポロックも棟方志巧も岸田劉生も大集合。2013年に東京都美術館で開催された国内最大級のエル・グレコ回顧展でさえも出品されなかった、『受胎告知』も今回は六本木で観ることができます。

ぜひ、珠玉の大原コレクションを堪能したいものです。

と、思っていたら、Mさんがひとこと。

「うちのコレクションがほぼ出そろいますので、逆にその期間に倉敷に来ていただけると、通常とは異なる展示作品が観れますので、それも興味深いですよ」

なるほど。
それもまた、愛好家には気になります。

「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」は2016年1月20~4月4日まで。
場所は六本木の国立新美術館

年始の芸術観賞はじめとして、まずはこの展覧会からスタートされてはいかがでしょうか。
私も楽しみにしています。


※作品・館内は特別な許可を得て撮影させていただきました。
by naoko_terada | 2015-12-24 18:13 | 日本 | Trackback | Comments(0)
DIME ダイム 2016最新版 ニッポンのホテル 超 賢い使い方


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DIMEの最新、2月号。
特集は「ニッポンのホテル 超 賢い使いかた」

巻頭でコメントをさせていただきました。
ちょっと大きめの写真掲載、お目汚しすみません。。

低廉ビジホから高級ホテルまで、最新ホテルがずらっと登場しています。
ホテル好きの方はどうぞ、情報収集にお役立てください。


あ、付録つきです。
5way マルチペンですって。
by naoko_terada | 2015-12-18 08:07 | 掲載メディア | Trackback | Comments(0)
サムイ島 インターコンチネンタル サムイ バーンタリンガム リゾートへ Vol.2
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インターコンチネンタルサムイ バーンタリンガム リゾートに到着して最初のお仕事ミッションはGMとのランチ。
場所はレセプションフロア階下にある海を臨むアンバー。朝食からディナーまでのオールデイダイニングで、洗練されたタイ料理とフュージョンメニューが味わえます。

オーダーはGMにお任せしました。
まず、最初に登場したのは定番のトムヤムクン。具だくさんでさわやかな酸味と辛さは、ちょっと欧米人向けかな。上品なお味です。

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メインは人気だというマッサマンカレー。こっくりとろみは強め。ココナッツミルクとスパイスの絶妙なまろやかさはさすが。おいしい。

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GMが、「ココナッツウォーターは飲んだことがありますか?」と聞いてきた。
あるけれど、正直そんなに好きではないです、そう答えると。
ニッコリと笑って、「ぜひ、うちのを飲んでみてください。驚きますよ」

はい、驚きました。ビックリ。
こんな美味しいココナツウォーターは飲んだことがありません。
なにやらわざわざ厳選したものを運んできているそう。みずみずしく滋味のある甘みはじんわり染み入れます。これはマストでぜひ、トライしてもらいたい逸品です。

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また、朝食も特筆したい充実内容でした。
インターコンチネンタルはバリ島もそうですが、朝食がなかなかいいのですよね。

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特にパンは毎日、リゾート内で焼き上げるとあってどれも香ばしくおいしい。種類も豊富です。

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あとで調理場を見せてもらったのですが、どんどんパンやデニッシュ、ケーキなどを焼いていました。

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マンゴーは季節ではなかったのでまずまず。でも、たっぷり食べられるのは南の国のリゾートの特権。焼きたてワッフル、メイソンジャーに入ったヨーグルトなどをあれこれと少しずつ。

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ヌードルステーションでバーミーナムをオーダー。アンバーの料理長が持ってきてくれました。麺を選べるので春雨にしたらボリュームたっぷりすぎに。
いやぁ、お腹いっぱいです。

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ファミリーフレンドリーなリゾートなので、幼児用のお皿類もそろっています。また、メープルシロップもトロリとかけやすいように温めるなど、細かいサービス、工夫がされているところに好感が持てました。


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ついでにディナーもご紹介。
これは、アペタイザーのワサビ・プロウン。エビのフリッターですが、ワサビが加えられていて見た目よりパンチのある味。ダイスカットされたマンゴーソースをからめるとエキゾチックな風味が口に広がります。
インターコンチネンタルホテルズグループはCulinary Journey(食をめぐる旅)というガストロノミープラグラムを世界展開中で「食の親善大使(Culinary Ambassador)」に選ばれた7名のシェフのオリジナルメニューをアジア、中東、アフリカ地域のインターコンチネンタル系列のホテルやリゾートで提供。このワサビ・プロウンはそのひとりシンガポールのモダンチャイニーズのサム・レオンシェフのレシピです。

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お供はタイのワイン、モンスーンバレー。すっきりさわやか。

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ディナーのメインはシェフのおすすめのBBQポーク。豚の首回りの肉を醤油、ニンニク、コリアンダーとオリーブオイルのタレでじっくりと焼き上げた香ばしくも味わい深いひとさら。上にはたっぷりのクレソンとヤングアスパラガス、脇にはアボカドディップとクラッシュしたカシューナッツ。これはもう、美味しくないわけがありません。


ということで、アンバーはオールデイで使えるレストランなのでした。
あ、外にはテラス席があります。いつもゲストで混んでいたので写真は撮っていませんが、水平線をのぞむ気持ちのいい空間なので、おすすめです。
by naoko_terada | 2015-12-13 20:34 | ホテル&リゾート | Trackback | Comments(0)
リトアニア・カウナス 2015年夏、「命のビザ」 杉原千畝記念館 訪問記
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「日本のシンドラー」と讃えられる杉原千畝さんのことを知ったのは、奥様の杉原幸子さんが書かれた「六千人の命のビザ」を読んだことがきっかけでした。

第二次大戦中、日本政府にそむきユダヤ難民に日本へのビザを発給し続けた外交官・杉原千畝氏。これによって命を救われた人は6000人にのぼり、彼らの子供、孫たちをあわせると今や25万人にのぼると言われています。ちょうど先週、杉原氏をモデルにした映画『杉原千畝 スギハラチウネ』も公開されましたが、危機的な状況の中、人道的な行いをした杉原氏は日本人として唯一、イスラエルから「諸国民の中の正義の人」として表彰されています。

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その杉原氏が外交官として赴任し、ビザを発給した場所がリトアニアのカウナス。旧日本領事館が現在、杉原記念館になっています。今年、8月中旬に長年の念願をかなえ訪問しました。

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バルト三国のひとつ、リトアニアのお隣ラトビアの首都リガを長距離バスで7:00に出発、リトアニア首都ヴィリニュスに着いたのが10:55。快適でネットワーク充実のLUX Expressで料金は片道27ユーロ。
ヴィリニュスのバスターミナルのすぐ向かいにヴィリニュス駅があり、ここからカウナスまで電車で移動します。でも、まずはスーツケースを預けましょう。駅の左側地下に入っていくとコインロッカーがあります。

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普通サイズで1ユーロ。ナント日本語対応!小銭がない人は横にスーパーがあるのでくずせます。

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ヴィリニュス~カウナス間は所要約1時間10分。料金は片道4.63ユーロ。清潔だし、きれいな車両です。地元のおばあさんと相席になって、のんびりと移動します。検札があるのでキップはなくさないでくださいね。

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お昼過ぎ、カウナス駅に到着。のどかなムードで、なんともさわやかな青空。駅から記念館までは徒歩圏内なので歩き出します。歩いていく場合、ぜひグーグルマップで場所を確認することをおすすめします。グーグル上ではDiplomatai uz gyvybe, Sugiharos fondasという名前で博物館のアイコンが示されています。

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駅を背に通りを右に歩いていきます。少し人通りがなくさびしいのですが、こんな方もいたり。ラトビア、エストニアのバルト国と比較して素朴、質素という印象です。

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やがて森の中を抜ける階段があり、ここをのぼります。私は昼間だったのでこの裏道的な一番近いルートを選びましたが、ちょっと不安になりますね。場合によってはひとつ手前のK. Būgos gatvė通りから行くこともお薦めします。森を抜ける道で駅から10~15分。近いです。

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階段を登りきるとこんな小高い場所に出ました。鉄道線路がよく見えます。電車、来ないかな。

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そこから住宅街を歩いていくと、ありました。杉原千畝記念館、かつての日本領事館です。

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ベルを押すと温かい目をした男性がドアを開けてくれました。マネージャーのラムナスさんでした。入館料3ユーロを支払うとまず、杉原千畝さんの生涯をつづったビデオを見せてくれました。

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館内、というか旧日本領事館は思っていたよりも小さなスペースでした。中心となるのは執務室。ここで杉原さんが「命のビザ」を発給し続けたのかと思うと感無量。胸にあついものが込み上げます。

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ラムナスさんが、「これがビザです」と見せてくださったのはコピーされたもの。ビザの原本は自分、あるいは自分の家族の命を救ったものだからでしょう。ぼろぼろになっても誰も手放さないのだといいます。

ラムナスさんが続けます。
「ミスター杉原は二千数百ものビザを書きました。ひとつのビザで子供たちなど家族も日本通過許可を得ることことができました。ほら、このビザには子供の名前があるでしょ。だから、結果的に6000人ものユダヤ人難民を救うことができたのです」


そもそも「命のビザ」とはなんでしょう。

ドイツ・ナチスのユダヤ人迫害が激しくなった第二次世界大戦時、ヨーロッパから脱出しアメリカなどへ移住するためには途中で通過する国の通過ビザが不可欠でした。そこで、多くのユダヤ難民がカウナスの日本領事館にビザを求めて殺到したわけです。それが始まったのが1940年7月18日の早朝。

押し寄せる難民に同情しながらも、外交官個人の裁量では決められない規模の大きさに杉原氏は日本へ電報を打ち、ビザ発給を申し出ます。そこにはこうありました。

「人生上、どうしても拒否できないこと」
「満たしていない発給条件を領事が最適と認めれば許可すること」
「あくまで通過ビザであるために最適と考えられる日本での滞在日数であること」

しかし、日本政府からの答えは、
「渡航条件を満たさない者には、通過ビザといえども発給してはならぬ」

当時、日本は日独伊三国同盟を模索していたため、難民へのビザの発給がドイツ(ナチス)との関係を悪化させることになると判断したのです。
また、日本の通過ビザには最終受け入れ国の許可が必要でした。当時、ユダヤ難民に対し入国ビザを出す国はほとんどなかったのですが、これを解決したのがもうひとりの人道的功労者、オランダ名誉領事であったヤン・ツバルテンディク氏でした。カリブ海にオランダ領のキュラソーがありますが、ここは税関もなく入国審査も必要ないということに気づき、最終受け入れ国をオランダ・キュラソーとした「キュラソービザ」を発給。これを手にした難民たちは杉原氏のいる日本領事館に駆け込み、通過ビザを求めたのでした。

外交官として本国からの命に従うか、それとも目の前で困っている人たちに手をさしのべるか。悩んだすえ、杉原氏はビザ発給を決意します。彼の手記にはこう記されています。

「苦慮の挙句、私はついに人道主義、博愛精神第一という結論を得ました。そして妻の同意を得て、職に忠実にこれを実行したのです」

それが1940年7月29日。そこから日本領事館が閉鎖された8月25日、リトアニアを出国した9月5日まで。休む間も惜しんでビザを発給し続けました。最後はカウナス駅で列車が出発する直前まで手書きでビザを発給し、車窓から放るように手渡したといわれています。

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もうひとつの部屋には奥様やお子さんたちの写真が飾られています。杉原氏は1986年、心臓病で86歳でこの世を去ります。奥さまの幸子さんは2008年に他界。

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柔らかな光と美しい住宅街の眺め。75年前、ここから眺めた先にはすがるように「命のビザ」を求めた多くの人たちの姿があったとは悲しいかな、想像できません。私が訪れたのが8月16日。まさに75年前のその頃、領事館閉鎖を目前にこの場所で毎日18時間、杉原氏はビザを出し続けていたのです。結果、2193通のビザが難民の手に渡り、日本を通過して亡命を成し遂げたのです。

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カウナスには領事館閉鎖後、リトアニア出国までを過ごしたメトロポリスホテルなど、杉原氏ゆかりの場所が残されています。今年2015年9月4日、「命のビザ」発給75年を記念してメトロポリスホテルとカウナス駅に杉原氏の功績をたたえるプレートが取り付けられたばかりです。

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記念館見学後、歩いてまわったカウナスは美しく、豊かさを感じる街並みでした。それもすべて杉原氏やツバルテンディク氏といった心ある人たちの尽力があってこそ。

杉原氏はこうも語っています。

「彼らは人間で、助けが必要だった。喜ばしいことは、自分の中にその助けを与える決定をする力を見出したことである」

"They were human beings and they needed help. I am glad I found the strenght to make the decision to give it to them."

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ヴィリニュスに戻るため、再びカウナス駅へ。あのとき、列車の窓からさし出された最後の一枚のビザを手にした人はどんな思いだったのでしょうか。また、すべての人を助けることができなかった杉原氏の思いとは。

ここから出発する自由を与えられている幸せに感謝すると同時に、私の中にも誰かを助ける力がささやかながらあることを信じ、これから見出していこうと思ったのでした。

※記事内の史実は記念館で購入した杉原千畝ガイドブックを参照しています。
by naoko_terada | 2015-12-06 23:29 | トラベル | Trackback | Comments(0)





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