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ボストンでの滞在は、 ザ・リッツ・カールトン、ボストン。 アメリカでザ・リッツ・カールトンの第一号となった記念すべきホテルです。 パブリック・ガーデンを目の前に望み、 すぐ横はボストンきってのブランド街、ニューベリー・ストリート。 エレガントで上品なRCミスティークで迎えてくれます。 そのザ・リッツ・カールトン、ボストンのすぐ横にあるのが、アーリントン・ストリート教会。 ここに16枚のティファニー・スタジオ製のステンドグラスが飾られています。 ホテルに戻る途中、 何気なく中に入ったのですが、そのすばらしさに絶句。 すべて聖書の一場面をあらわしたものですが、どれも完璧なまでの美しさ。 オパルセントと呼ばれる独特のスタイルを駆使したガラスの微妙な色合い、ディテール。 ガラスの持つ表現力の強さにあらためて感動させられました。 中でもわたしが特に気にいったのが、写真の「良き羊飼い The Good Shepherd」。 キリストである羊飼いが夕暮れの遠き山を望む姿。 その脇には、信者にたとえられる羊たち。 画像では残念ながら微妙な色のグラデーションがお伝えできないのですが、 淡い薄暮に包まれる山、残照に照らされる羊飼いの横顔。 まさに神々しいほどの美しさに、言葉は必要ありませんでした。 ティファニー・スタジオは、ご存知、宝飾店ティファニーの創設者であるチャールズ・ティファニーの息子、ルイス・ティファニーが作ったガラス制作会社。 ティファニーというとジュエリーのイメージが強いですが、画家でもあったルイス・ティファニーは卓越した技法で数々のランプ、ガラスの芸術品を制作、ガレと並びガラス芸術の頂点を極めました。 アーリントン・ストリート教会にティファニーのステンドグラスが備えられたのは、 1899~1929年の間。 1898年当時、教会が20枚のステンドグラスの制作をティファニー・スタジオに依頼、 完成と同時に随時、設置していくことになっていました。 でも、1929年にアメリカを大恐慌が襲い、非常に高価なティファニーの作品を教会が購入し続けることが困難に。 さらに、ルイス・ティファニーが他界し、スタジオにあった素材が廃棄されるなど、 いくつかの要因のため、1937年、教会はさらなるステンドグラスを購入することを断念。 ですから、教会内の一部の窓には何も飾られていません。 こういう思わぬ出会いがあるから、旅は本当に楽しい。 一級の芸術作品との出会いが、ボストン滞在に深い、余韻を残してくれました。
by naoko_terada
| 2006-07-10 05:49
| トラベル
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Comments(6)
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koharu827 at 2006-07-10 12:09
こんにちは、寺田さん。
ステンドグラスって美しいですね。 光を通していろんな色が交じり合う。 アーリントン・ストリート教会の、このティファニー・スタジオ製のステンドグラスは 見ていると、聖書のお話が伝わってくるようです。 実際に見たなら、時がたつのを忘れて眺めているような気がします。 (^_^) またひとつ出会いがありましたね、寺田さん♪
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amamori120 at 2006-07-11 23:52
ティファニー・スタジオのことを含め、今日も随分勉強させて貰いました♪
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naoko_terada at 2006-07-12 18:23
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naoko_terada at 2006-07-12 18:28
amamori120サマ
ご無沙汰です。 甘党道、さらにパワーアップされてるのでしょうか。 教会、神社、寺院と、最近、とみに神社仏閣に興味があり。 「仏像のひみつ」などという本を買ってしまいました(笑)。
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daniella
at 2006-07-15 14:53
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METで1番「素敵だな~。ここでゆっくりしたいな~」と思ったのが
ティファニーの支柱とステンドグラスのコーナーでした。 美術館の中に展示されていてもあれだけ素敵なのですから、 教会の中に展示されていたら、重みや意義など更に深みが 増して素敵なのでしょうね~。うっとりです。 地球の蒼をうつしたピアスもうっとり。
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naoko_terada at 2006-07-16 20:31
daniellaサマ
ああ、あそこの展示はいいですよね。 ティファニーランプ、ひとつでいいから欲しいです(笑)。 この教会のステンドグラスは大きさ、内容と共に本当に圧巻。 ボストンは行かれたことありますか? 機会があればぜひ、見てきてください。 あと、ボストン美術館もね。
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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