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わたしが尊敬するフリーの編集者であり、長年の友人でもあるSさんから、 「沖縄の高校に出張授業みたいなものに行きませんか?」とお話しをいただき、二人して沖縄県立名護商工高校にうかがったのは昨年の7月。すでに真夏の暑さで期末テストも終わり、夏休み目前という時期でした。 今回の仕掛け人はK教頭。実はSさんと昔からのお友達ということで、今回の出張となったわけです。 名護商工高校には「地域産業科観光コース」があります。沖縄本土北部、通称やんばると呼ばれる地域で唯一、観光コースを持つ専門高校です。 本コースでは実質的な観光を学ぶだけでなく、沖縄戦体験者と一緒に戦跡をめぐるフィールドワークや、それをまとめて校内をはじめ、小中学生に出前講座をするなど「生徒の生徒のための平和学習」を実践しています。 私たちがお邪魔したのは、その観光コースで学ぶ2年生を中心とした生徒さんたち。 テーマは「平和産業としての観光を考える」 わたしが長年、トラベルジャーナリストの芯として考えるテーマであり、伝えたいメッセージです。 これを沖縄で将来、観光にかかわりたいと考える学生たちにどう伝えるか。観光関係企業や消費者のみなさんの前でお話しをしたことはあっても、学生たちは初めて。Sさん、K教頭、そしてコース長のU先生たちと共にパワーポイントの内容などをギリギリまで詰めていきました。 とはいえ、わたしの話はシンプルでした。 今まで伝え続けてきたことをそのままに。「観光は平和産業である」ということはどういうことなのか。 加えてお話ししたのは、観光のプロ、接客のプロとして沖縄に関わるにはどうしたらいいのか。まずは、自分ができること、自分が思う沖縄の魅力を見つけ、それを伝えるノウハウを学んでほしい、ということでした。必要なのは次世代の人材。単なるガイドではなく沖縄の魅力を語れる人、つまり「現代の語り部」になってほしいということです。 その観光コースの生徒たちが、先日、教育現場の優れた実践や研究を顕彰する「沖縄タイムス教育賞」を受賞したとの報告が! 地道にフィールドワークを重ね、学習成果を発表してきたことが評価されてのことです。 そして、「観光は平和産業」という視点も沖縄の基幹産業となるツーリズムとして極めて重要であるという評価も受けました。 受賞後の新聞への寄稿には、わたしのことも紹介されていました。 学生たちがもともと行っていたことに、「観光は平和産業である」というキーワードがよりぶれない方向性をもたらしたのだと思うと本当にうれしい。 今回、貴重な経験を与えてくれたSさん、そしてK教頭とU先生。 みなさんの熱い思いがあってこその受賞だとも思います。K教頭とU先生は転勤で別の学校へ移動されたとのことですが、これからも観光コースの学生たちの学習は継続されていくことでしょう。 観光コースのみなさん、おめでとうございます! 今まで行ってきたことが認められることはとてもうれしいし、励みになることと思います。 これからは、さらに沖縄の魅力を伝える語り部として、学ぶ、社会へと羽ばたいてください。 沖縄ファンとして期待していますよ!!
by naoko_terada
| 2017-04-03 21:45
| その他
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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