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気仙沼便り スピンオフ JTB 東北ふるさと課(化)地酒「蒼天伝」海中貯蔵と引き上げの旅 2015
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2014年8月から2015年3月まで。
ウェブマガジンのオウプナーズで東北復興の短期連載を行っていました。タイトルは「気仙沼便り」

1回目 8月「合言葉は“海と生きる”」
2回目 9月「新しいふるさとを作る」
3回目 10月「民宿つなかんとの出合い」
4回目 11月「漁師を支える気仙沼のシンボル」
5回目 12月「最新マグロはえ縄漁船・第十八昭福丸に乗る」
6回目 1月「気仙沼・漁業組合直営レストランでマグロ尽くし」
7回目 2月「伝説の大船頭・前川渡さんと俳優・渡辺謙さんの対談を聞く」
8回目 3月「桜を待ち、次の再会を心に別れを告げる」


このときに参加したのが、JTB東北ふるさと課(化)が行った1泊2日のツアーでした。
東北ふるさと課(化)は、一過性の復興応援ではなく継続性ある観光のしくみを造成したいという思いから、毎年、参加者のみなさんが故郷に戻るように東北を訪問できるツアーを考えています。

そして、昨年11月。その第8弾として催行されたのが「地酒(蒼天伝)海中貯蔵と貯蔵酒引き上げの旅」でした。このツアーのメインは気仙沼を代表する酒造会社「男山本店」の自慢のお酒、蒼天伝のしぼりたてを海中に貯蔵するというもの。そして、1年前に貯蔵したお酒を同時に引き上げて、それを味わうというなんともシアワセな内容でした。
これはそのときのレポートで、連載「気仙沼便り」のスピンオフでもあります。



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朝、東京駅から東北新幹線で一ノ関まで。
今回は昔からのおともだちOちゃんと、Aちゃんも一緒。ツアーの催行人数が足りないとヘルプコールをしたら、「食べるのも呑むのも遊ぶのも東北も大好きです。断る理由がありません!」と快諾。さすがです!ありがたい。

ということで早朝から新幹線内で乾杯!

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一ノ関でツアー参加のみなさんと合流。8回目となるこのツアーの立役者であるJTBコーポレートセールスのご担当者Kさんが笑顔で出迎えます。

一ノ関駅から気仙沼まではバスで1時間ちょっと。のどかな風景が続いた後、気仙沼市街へ。さらに気仙沼港に近くなると震災後のかさあげ工事や、復興の焦点のひとつである防潮堤が見えてきました。2014年に来たときにはまだ防潮堤はありませんでした。しばし、車内が静かになる。
途中、車内では震災で亡くなったご友人の意志を継ぎ、気仙沼にバレエ教室「気仙沼バレエソサエティ」を開いた高橋知子さんが同乗。教室復活のお話しと当日のことなどをお話ししてくださいました。

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最初の訪問先からすでにメインイベントです。港の目の前で創業する「男山本店」は気仙沼が誇る蔵元。実はここにも被災後のドラマがありました。詳細はyahoo!JAPANのコチラで。

菅原社長みずから蔵内を案内、醸造過程を見せてくれます。そして、もうしぼるだけという新酒をその場で試飲。シュワシュワ感も落ち着き、ホント、あとは瓶詰するのを待つばかりの生まれたて。

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その後、蔵内でこの日、海中に沈める新酒の「蒼天伝」とご対面。ツアー参加者にはひとり1本のマイボトルが含まれています。これを海に沈め、1年後にひきあげます。そのときのために1年後の自分にメッセージ。

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再びバスに乗り込み、今度は唐桑へ。ランチタイムです。うかがったのは、このツアーではおなじみ。私も2014年のツアー参加事にお世話になった漁師民宿つなかん。切り盛りする一代さんも変わらない明るさで「おかえり~」と出迎えてくれます。これが、毎年参加するツアー客にはたまらなく、ほっとする瞬間です。ツアーが「ふるさと」にこだわる意義がここにあります。

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テーブルにはどーんと気仙沼の旬の味覚が。牡蠣の養殖が本業のつなかんです。ぷっくりみごとな気仙沼産の牡蠣が登場です。すかさず参加者から、「生ビールください!」「こっちは日本酒で!」と手があがります。ツアー参加者のみなさんはここで楽しく食べて飲むことが地元のみなさんのためだということをわかっています。もちろんムリではありません。冷たいビールと熱々の鍋を囲むシアワセが誰かのためになれば嬉しい。そう、思っているだけです。

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おなかもいっぱいでこのまま昼寝でもしたいところですが、ミッションです。あいにくの雨の中、ビニールガッパを着込んで乗り込むのはつなかんのご主人が操業する漁船。いよいよ、メインイベント。貯蔵酒のひきあげと新酒の貯蔵です。さきほどのメッセージをつけ、1年の水中貯蔵に耐えるようしっかりと密封された蒼天伝たち。うわー。

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唐桑の湾内にあるつなかんの牡蠣の養殖棚をお借りしての海中貯蔵。まずは昨年の貯蔵酒をひきあげます。びっしりと海藻や貝類がこびりついたロープをたぐっていくと。
出てきました。これが昨年の蒼天伝。1年を海中で静かに眠り熟成を遂げています。おかえりー。
そして、今回のマイボトルをゆっくりと沈めていきます。来年、引き上げにくるからね。

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雨の中、寒かったけれど期待感もありみんな興奮きみ。さらに、それに拍車をかけたのが帰路のカモメへの餌付け。エサはかっぱえびせん!これが想像以上に迫力あって大興奮。しっかりエサ用のかっぱえびせんを自腹で買って用意していたのは添乗役のKさん。さすがJTBのおもてなしです。

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陸に戻ると、つなかんの作業場で一代さんの指導のもと牡蠣むき体験。これがなかなか難しい。一代さんの、「ちゃんとやらないと牡蠣がかわいそう」の言葉に牡蠣への愛情と真剣さが見え隠れします。ちょっとでも牡蠣に傷がつけば売り物にならない。私たちが手にしたおおぶりの牡蠣を育てるのに2~3年の時間がかかります。自分たちが暮らしていけるのも一個一個の牡蠣のおかげ。それゆえに大切な存在だということを教えてくれます。

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ちょっと傷がついてしまったけれど、自分が殻をむいた牡蠣を熱湯にさっとくぐらせて口に含みます。
「おいし~い」と思わず声をあげると、一代さんが、「うまいでしょー。これが唐桑の牡蠣だよー」と満面の笑顔。この笑顔が見たくて、また来年も来ようと思いました。マイボトルも待っているしね。

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夕刻、気仙沼港に戻り、気仙沼プラザホテルにチェックイン。ここは何度か利用したことがあります。港を望む温泉があり、これが実に体をあたためるい~いお湯なんです。海沿いに多い食塩泉でなめるとしょっぱい。これが体の芯を温め、そして湯冷めしない。船上での体験で冷え切った体がほわっとぬくもります。

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温泉入ってぬくぬくのわたしたち。再びダウンを着こんで外へ。気仙沼プラザホテルのすぐ横にあるK-portに向かいます。ここは俳優の渡辺謙さんが運営するカフェ。前回では謙さんと気仙沼マグロ漁船の大船頭・前川さんとの対談を拝見しました。
この夜は、もちろんお待ちかね。引き上げた蒼天伝を味わいます。菅原社長も作業着からジャケットに着替えて蒼天伝についてレクチャー。あわせて新酒も試飲して、味の違いを飲み比べします。楽しい~。
そして、社長から手渡されたのは「海中貯蔵認定カード」!星がひとつ付き、来年はこれを片手に引き上げるという仕組み。今から待ち遠しいです!

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翌朝は午後の出発まで自由行動。
ちょうど日曜で、この日は気仙沼観光コンベンション協会などが手がける「ちょいのぞき in 気仙沼 港のしごと場探検ツアー」が開催されていました。ということで個人的に自主参加。待ち合わせは新しくできたお買いものスポット「海の市」内にある気仙沼観光サービスセンター。宿泊した気仙沼プラザホテルの支配人や関係者も顔をそろえます。「海と生きる」を合言葉にする気仙沼。旬の海鮮を食べて買ってもらうだけではなく、そこにかかわる人の仕事にも触れてみてもらいたいというのが趣旨。いわゆるバックヤードツアーですね。特にこどもたちに見せたい、知ってほしい。これも震災後にゆるやかに始まってきたことで、直接観光には関係のない漁業関係者のみなさんの協力を取りながら進められてきています。

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まずは函屋さんへ。倉庫に入ってビックリ!魚の出荷に不可欠な発砲スチロールの山は高さ8メートル。それを迅速に必要な数だけバランスをとって一気にトラックに乗せる職人ワザに大感動。すごいー!かっこいい!
参加者も体験してみて、見た目以上に難しいことがわかりさらに感動。

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函屋の社長さんもスタッフのみなさんも一般の人にお話しをすることにはもちろん、慣れていません。それでもこうやって自分たちの仕事を知りたいと参加した人たちにどうやったら楽しく体験してくれるのか。朴訥な語りの中にその誠実さが感じられます。最後は発砲スチロールで保温されていたお茶のプレゼント。手渡してくれたそれは、いつにもましてわたしを温めてくれました。

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お次はさらに冷たい場所。氷屋さんです。
こちらも水揚げされた魚を保冷するのにかかせません。初めて見ました。ここで製造するのは重さ1個135キロの氷です。機械を使ってダイナミックに製氷。それをマイナス10℃の冷凍庫に保管。運搬機をあやつり一番高い場所の隅に氷をみごとに置く技術力に脱帽。

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最後は氷を自分たちで切る体験と、それを使ったかき氷がふるまわれました。レトロなかき氷機も自分たちで削る感覚を知ってもらいたいから。お金になるわけではない見学ツアーにこころよく協力するのは、気仙沼を知ってもらいたい通ってもらいたいという思いがあるからでしょう。

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お昼になり、ちょいのぞきin気仙沼ツアーのひとつで、地魚寿司ランチを味わいに地元で人気の大政寿司へ。こちらも震災で店が流され、今は別の場所に移転して店を続けています。このときは11月。メカジキ、ドンコなど旬のネタが登場。ここでもお酒はマスト。大政オリジナルの冷酒を追加注文します。

大政寿司の大将は、震災後、店を流された有志の寿司屋による「流され寿司握り屋衆」の中心として全国をまわり、寿司をにぎってきました。その大将みずからが語る震災時のこと、そのあとの生活などをうかがいます。

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お昼を頂戴した後、バスに乗り込む前に愛犬と一緒に写真を撮らせていただきました。このコも大将が命がけで津波から連れ出したとのこと。大切な家族です。

この、「港のしごと場探検ツアー ちょいのぞきin気仙沼」は不定期に開催されています。このときは函屋、氷屋探検がそれぞれ参加料が1000円、地魚寿司はにぎりが味わえて3000円。観光客はもちろん、地元の家族連れの参加も見かけました。少しずつ広まって産業体験ツアーとして定着するといいな、と思いました。


旅行会社、酒蔵、牡蠣養殖漁師、漁業関係者。すべてのみなさんの協力があり、海中貯蔵ツアーが毎年成立します。参加人数は正直、少なく毎回、催行ぎりぎりという状況です。それでも続けたい、という思いを持つ関係者がいて、参加して楽しかったから来年も来ます!というリピーターさんたちがいる。

今、このときも私のボトルがあの海で静かに眠っていると思うと感慨深い思いがあります。そして、それが気仙沼と、さらには唐桑の風景やお世話になった人たちの顔を思い浮かべるきっかけを与えてくれます。

今年も新酒が出る季節には引きあげツアーが開催される予定です。もちろん、わたしも参加するつもり。
もし、ご興味があればぜひ、ご一緒に行きませんか?ちょびっとなら引き上げたわたしのお酒も飲ませてあげますので。笑

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帰りのバスからは建設中の災害公営住宅が見えました。街は少しずつ変わっていきます。それを感じるためにもまた、訪れようと思います。
そして、みなさんも心のふるさとに出会いにぜひ。

お待ちします。

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by naoko_terada | 2016-03-11 15:00 | 東北応援! | Trackback | Comments(0)
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