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ボキューズドール取材の合間に、リヨンの観光も楽しみました。 この日は、ガイドさんと一緒に世界遺産でもある旧市街のウォーキングツアーです。 真ん中のステキなマダムがガイドさん。 さすが、フランスはガイドもおしゃれです。 リヨンはローヌ・アルプ県の県庁所在地で、パリに次いで2番目に大きな都市。 ローヌ川とソーヌ川が並行して南北を横切る地形です。 古来から交易で栄え、商人、職人たちが権力を持ち、優れた建築、工芸品が誕生していきます。 その中には、今でも特産品である絹織物がありました。 ※詳細はリヨン観光・会議局(日本語)へ。←音が出ます。 旧市街には今でもその頃の面影が残り、散策をするにはちょうどいい規模。 絹織物で豊かになり、イタリアからも多くの資産家たちが移り住むようになったリオンはルネッサンス期、華麗な文化を築きます。 リヨン名物のひとつが、人形劇のギニョール。 かつての庶民の暮らしを面白おかしく、ブルジョワ階級には風刺を効かせたものを。 一世を風靡し、今でも多くの人形劇団があり、博物館もあります。 旧市街を歩いた後は、ケーブルカーに乗り込み。 たどり着いたのは、フルヴィエール・ノートルダム大聖堂。 19世紀に建てられたロマネスクとビザンチン様式を持った美しい大聖堂です。 小高い丘に立ち、リヨンのあらゆる場所から見ることができる、アイコン的存在です。 眼下にはリオンの旧市街と、その先の街並みを一望に。 さらに、その奥にはフレンチアルプスの山並みも。 フランス第二の都市とはいえ、のびやかな雰囲気と、歴史を刻んだ面影がリヨンの魅力です。 これは、リヨンを去る日に、別の場所からの眺め。 大聖堂と、そのうしろにはTV塔のタワー・メタリークが。 神々しい眺めです。 そして、リヨンのもうひとつの魅力が食。 ここは美食の街としても有名です。 リヨンで欠かせないのが、ブション。 簡単にいうと、庶民的な定食屋。 ボリュームたっぷりの定食メニューを出して、市民の胃袋を支える店です。 夜、旧市街の路地を入り、我々が目指したのが、カフェ・デ・フェデラシオンズ Cafe des Federations。 リオン在住の観光局のスタッフ、推薦のブションです。 中に入ると、「これぞブション!」とでも言いたくなる、下町風情の店構え。 何度も洗濯がされ、使いこまれたナプキンには、愛くるしいブタくんのイラスト。たっぷり食べさせます!といった意志表示のようでもあり、頼もしい。 使いこまれた食器、容器の数々もいい味を出しています。 カウンターでいただくのは、アペリティフ。 実は、我々は別のブションでディナーを取るため、ここでは食前酒を味わうだけ。。。 そんなわたしたちに大盤振る舞いをしてくれたのが、オーナー。 日本の飲み屋にもこういうおやじさん、いるよなぁ~、と思わせる気さくさ。 観光客の人間はもちろん、今回はカナダ・ケベックからの食ジャーナリスト氏などもいて、フランス語が話せる人が多く、活気ある会話が飛び交います。 こういうとき、やはり語学は大切だな、と痛感。彼らも英語は話せますが、やはりポンポンとカウンターでやりとりするようにはいきません。 最後にお店の前でポーズをとってもらって、オーナー氏とはさよなら。 再び、旧市街へ。 外はすっかり夜の気配。 ブション・リヨネーズと堂々と看板が掲げられているのは、ダニエル・エ・ドゥニーズ Daniel et Denise。 でも、先ほどのCafe des Federationsよりは高級なムード。 それもそのはず、ここは2008年の「リヨン・ベスト・ブション」に輝いた名店で、オーナーシェフのジョセフ・ヴィオラ氏はMOF(国家最優秀職人賞)にも選ばれた著名なシェフ。店内にはセレブと一緒のお写真がずらり。 店内はびっくりするほど超満員。 しかも、男性陣がほぼ占めるという、オフィス街の居酒屋状態。 みんながっつり食べて、飲んでいます。 となれば、こちらも負けるわけにはいきません。 まずは、リヨン名物、ポットと呼ばれる上げ底ビンのワインを。このポットは、昔からの名残だそう。テーブル、ドカンと置かれても安心。つまみは、豚の脂を揚げたもの。これをポイっと口に入れては赤ワインをぐびっ。メニューを決めるまで、こんな感じで続きます。 観光局の方にお薦めしてもらったのは、伝統的なブションのメニュー、クネル。 これは、魚のすり身に、小麦粉、バターをまぜてオーブンで焼き上げたもの。美しい黄金色のソースは、エクルビス(ザリガニ)の旨みを閉じ込めたソース・ナンチュア。これが、た~っぷりとかかっています。 中はこんな感じ。 ふわっとさせたすり身は、はんぺんのような食感。 練りもの好き、甲殻類好きの日本人としては、結構、好みの味です。 しかし、何ぶん量がはんぱじゃなく、多い。 さらに、これだけだとやはり、飽きてくる。 ということで、残念ながら半分も食べられずギヴアップ。 さすが、庶民の味方、ブション。 ボリュームはぴか一です。 後は、食後のエスプレッソで十分。 と、思っていたのですが、観光局の方が、「デザートもおいしいのでぜひ!」とオーダーしたのが、リンゴのタルト。コクのあるクリームと酸味のあるリンゴのタルトを一緒にいただくと、確かにおいしい。でも、これも完食はムリ。 リヨンの美食を味わうには、まず巨大な胃袋を用意しないとダメ、ということを実感しました。 でも、仲間とおおぜいでワイワイやりながら味わう食事は、何より楽しいもの。 ブションは、リヨンの人たちには欠かせない食文化なのだと、感じいった夜でした。
by naoko_terada
| 2013-02-25 02:25
| トラベル
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Comments(2)
ブログみました。自分もリヨンへ行ってきました。フルビエールの丘からの眺めや旧市街でのランチ 素晴らしい思い出ができました。パリからTGVで2時間程度で着くのも良かったです。また 行ってみたくなりました。ありがとうございます。
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naoko_terada at 2014-08-10 17:44
クラさま
コメントありがとうございます!リヨン、街(旧市街)も歩きやすい広さですし、美味しいもの好きな日本人にはお薦めですよね?また違ったフランスの都市のネタがあるのでそれもおいおい公開します。そこもものすごくユニークなんです!お楽しみに!
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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