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Looking for an angel

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2009年、最後のブログはこの画像で締めくくりたいと思います。


10年ほど前、ひんぱんに仕事でオーストラリア・シドニーを訪れていた時期がありました。
20代に暮らした街は、ちょうどオリンピック開催が決まったばかりで、
慣れ親しんだおだやかさと、活気に満ちあふれていました。

毎日のようにタクシーで市内や郊外の取材・撮影を行っていたある日、
なんとなく気にかかる絵があることを意識し始めました。

それが、上の女性の絵。
その頃は、たしか赤いドレスを身にまとい、もっとシンプルな画風でした。

場所は、シドニー中心部から高級住宅街へと続く大通り。
なんでもない壁に描かれた女性は、
いつしか心の中に残り、わたしは、深く考えることもなく「天使の絵」と思うようになっていきました。

その翌年も、彼女はそこに。
数年後にもやはり、いる。
でも、少しずつ絵が描きなおされていて、変わっていく彼女。
常に後ろを向き、長い腕を天使の羽根のように優雅に広げた姿は、
絵が変わってもそのまま。
何を見ているのか、どこへ向かおうとしているのか。
不思議だけれど、そこにわたしは愛を感じました。


その後、シドニーへ行く機会が減り、
彼女を見ることはなくなっていたのですが、ときおり、「まだ、いるだろうか」と思うことが。


そして、今年、とあるハプニングで早朝から夜までシドニーにいることに。
取材が続き、やや疲れていたので最初、
ホテルでデイユースをしてのんびりしようかと思っていたのですが、
ふと、彼女のことが頭に。

空港でスーツケースを預け、久しぶりに電車に乗ってシドニーへ。
中央駅からタウンホール駅へ行き、そこからボンダイ・ジャンクション行きへ乗り換える。
この路線は暮らしていた時に通勤に利用していたもの。
懐かしい。

降りたのはエッジ・クリフ駅。
駅の目の前がニュー・サウス・ヘッド・ロード。
ここに彼女がいるはず。

駅の右だったか、左だったか忘れてしまったので、まずは、ダブル・ベイ方向へ歩いてみる。
途中、かつて仲のよかった友人が暮らしていた古いアールデコのマンションが。
外観はそのままだけれど、中は改装されているようで、
不動産の看板が掲げられている。
彼は今、どこにいるだろうか。

シドニー郊外で最も高級な住宅街ダブル・ベイは、相変わらず瀟洒な風情。
もちろんお店やレストランは変わってはいるものの、
止まっている車も、歩いているマダムも、彼女が連れている犬もゴージャス。
かつて、リッツ・カールトンだったホテルは、別のブランドとしていまだ健在。
何度か宿泊したときの記憶がよみがえる。

残念なことに、こちらの方面に彼女はいなかった。

ちょっと曇り気味で雨も降りそうな気配の中、
再度、駅の方向へ戻り、坂をくだってキングス・クロス方面に向かう。

エッジ・クリフの駅を超えて、坂を下ってほんの十数メートル。
そこに彼女がいた。

目の前で見るのはこれが初めて。
思ったよりも大きいけれど、どうやら絵の端の日付を見ると最近、描きなおされたよう。

一気に懐かしさがこみあげてくる。
10年前のあの頃、
そして、20数年前のシドニーや自分。
時空を経て、はるばる会いに来たような感慨と、
ずっと変わらずそこにいた彼女への思いがあふれてくる。


その後、日本に戻ってからインターネットで調べていたら、シドニーに暮らしているフランス人画家Bruno Dutot さんが、ずっと描き続けているという地元の記事を見つけました。



日々を送り、いつものように暮らす中で、決して忘れられない場面や、モノ、人がいます。
中にはもう、二度と戻ってこないものもあり、会えない人たちもいます。

でも、自分が生きていくかぎり、それらの記憶は忘れられることはありません。


シドニーの天使は今日もそこにいます。
それを知っているわたしはとても幸せです。


みなさんが、ご自身の天使を見つけることができますよう。


この一年に感謝し、2010年の未来へと一歩、歩き出しましょう。

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by naoko_terada | 2009-12-31 17:40 | その他 | Trackback | Comments(14)
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Commented by yellow-bus at 2009-12-31 19:05
素敵なお話ですね。今年最後にほろっとさせていただきました。良いお年を。そして、更なるご活躍をお祈りしています。
Commented by suzu-1219 at 2009-12-31 22:24
私もいろんなことを思い出してほろりとしてしまいました。

来年もまたこころに届くお話を聞かせてくたさい。
楽しみにしています。

よいお年をお迎えください。
Commented by 8moon21 at 2009-12-31 23:55 x
シドニーの天使のお陰で、今年最後の時間を暖かな気持ちで過ごす事ができました。
ありがとうございます。

どうぞ良いお年をお迎えください。
Commented by madonotabi at 2010-01-01 01:50
みんなが世界のどこかで思い思いの天使達に出会い、何年何十年後でも再会の旅が出来たら素晴らしいです。
素敵なお話をありがとうございます。
2010年が始まりました。世界中に平和が訪れますように。
Commented by carambola at 2010-01-01 11:58
明けましておめでとうございます!

平面の描かれた絵だけれど
流れゆく年月とともに少しずつ変化を遂げているのですね.
我々も毎年,少しずつでもいいから成長していかなくては…

今年も素敵な旅便り,楽しみにしていますね.
そして,今年こそはお目にかかる機会がありますように(#^.^#)
Commented by hiyoko at 2010-01-03 01:32 x
明けましておめでとうございます。

直子さんの旅のエピソードにはいつもワクワクしてしまいます。
今回もすごくいいお話でしたね。
今年もまた楽しみにこちらに来させていただきます。

京都の星のやさん、今朝テレビでやっていました。
素敵ですねー。
お料理も美味しそうでした!
いつか必ず泊まってみたいお宿リスト入り決定です!

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
Commented by naoko_terada at 2010-01-06 03:07
yellow-busサマ

ありがとうございます。
きっと皆さん、心のどこかに同じような思い出を持っていらっしゃるはず。

大切な記憶と共に。
今年一年、さらにすばらしい出会い、思い出がyellow-busさんの心に加わること、願っております。
Commented by naoko_terada at 2010-01-06 03:09
suzu-1219サマ

コメントありがとうございます。

出会いと別れは必ずあるもの。
だからこそ、そのひとつひとつが愛おしく、大切な存在だと思います。

suzu-1219サンにとって今年が良い一年となり、多くの希望と出会いがありますように。
Commented by naoko_terada at 2010-01-06 03:11
8moon21サマ

コメントありがとうございます。

シドニーの天使。
8moon21サンの心の中にも同じような大切な存在があることと思います。

2010年がすばらしい一年となるよう願っています。

ありがとうございます。
Commented by naoko_terada at 2010-01-06 03:12
madonotabiサマ

そうですね。
みんなが幸せでいること。
せつに願います。

誰もが安心して旅を楽しめる一年になることを願っています。
Commented by naoko_terada at 2010-01-06 03:13
鯔サマ

今年もどうぞよろしくお願いしますね。
ブログ、おじゃましているのですが読み逃げしています。
すみません。

今年一年、楽しいお酒と旅を楽しんでください。
ぜひ、お会いしましょう。
Commented by naoko_terada at 2010-01-06 03:15
hiyokoサマ

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

星のや京都。
ぜひ、3姉妹で滞在してみてください。
5月頃にはアクティビティも登場するのでそのあたりからがお薦めです。
あ、でも桜の時期も美しいですね。
Commented by Felix at 2010-01-07 08:50 x
自分も初めて見た時から、ずっと印象に残っている絵です。
自分の今のシドニー生活ともリンクしてますね。
キングスクロスの大好きなカフェには同じアーティストの
大きな絵が飾ってあります。
次回、シドニーに来られる時は、一緒に行きましょう!

今年も、どこか素敵な場所で寺田さんと会えることを願って。
Commented by naoko_terada at 2010-01-07 13:20
Felixサマ

お、やはり気づいていましたか。

この後、キングスクロスまで歩いてみました。
懐かしかったぁ。
エリザベスベイに住んでいたので。

ぜひ、次回はそのお気に入りのカフェに行きましょう!

今年もどうぞよろしくです!
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