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朝、レストランで朝食を食べていると、彼らがやってきた。 お目当ては、たっぷりと盛られたモンキーバナナ。 日によって、顔ぶれは異なります。 今日は仔ゾウも登場で、レストランにいたゲストたちは大喜び! もちろん、わたしも。 あげてもあげても、次々に伸びてくる鼻。 あっという間にすべてたいらげてしまいました。 でも、アフリカゾウよりも温厚で小柄なアジアゾウは、 かわいいですね。 ゾウと共に印象的だったのが、 マハウトと呼ばれるゾウ使いたち。 彼らもフォーシーズンズのスタッフです。 軽々とゾウの背に乗り、巧みにこの巨大な動物を操る姿はプロフェッショナル。 ときおりゾウたちに見せる視線が、とても温かい。 朝食後は、このリゾート最大の特徴、マハウト体験へ。 きれいな英語を話してくれるタイ人のコーチと共に、 リゾートに隣接したゾウたちが暮らす場所へ向かいます。 現在マハウトは7人、ゾウは10頭ほど。 まずは、ゾウとのスキンシップからスタート。 先ほどよりもゆっくりと目を見て、名前を呼びながらバナナをあげます。 ときおり、鼻を撫でてあげたりと、 「これからよろしくね」のコンタクト。 近くで見ると、やっぱり大きい。 こちらも彼らの巨大さに慣れなくちゃなりません。 その後、スタッフに助けられながらゾウの背中に乗るレッスンが。 初回はゾウを座らせてから乗るスタイルや、足を利用して飛び乗るスタイルなど、 3つの乗り方、そして降り方を学びます。 これが最初はかなり恐い。 何しろ、めちゃくちゃ高い(ように感じる)。 ゾウが体を揺らすたびに落ちそうで恐いのです。 これができるようになれば(できないんだけど、スタッフが助けてくれるので。笑)、 乗ったままで、前進、ストップ、右へ、左へなどの指示をする練習。 ゾウ、ぜ〜んぜん言うこと聞いてくれません。 しょうがなく従うのは横にいる大好きなマハウトが命令するから。 それでも、なんとなく歩いてくれるようになってくれます。 これが、嬉しい! 30分もそうやって触れあってくると、 背中に乗っている恐怖心も不思議と薄らいできます。 ここまでできれば、あとはリゾート周辺のジャングルトレッキングに出発です。 およそ1時間、スタッフ同行で、 ゆっくりとゾウに揺られながらゴールデントライアングルのジャングルを歩きます。 途中、川に降りて、わたしのために汗をかいて歩いてくれたゾウに水をかけてあげる。 ズンっと巨体を水に沈めながら、 サブザブと水をかけてもらい、嬉しそうな表情を見せる。 その後は、背中に乗せてくれる際も少し優しくなったように思うのは、 気のせいでしょうか。 マハウトになったような気分で、ちょっとシアワセ。 写真をゾウに乗ったまま撮る余裕など、当然ないので、 コーチが専属カメラマンに早変わり。 トレッキング中のさまざまなカットを撮ってくれるので、 記念写真もしっかり残せる心配りもさすがです。 今回の発見は、 ゾウの機嫌がいいのか、悪いのかは、耳でわかるということ。 耳を軽やかにパタパタと、振っているときは機嫌がいい証拠。 これに体をゆらす動作が伴えば、もう、めちゃくちゃハッピー♪ らしい(笑)。 逆に、耳も体も動かさずピタリと固まっているときは、 不機嫌、あるいは怒っているとき。 「そういうときは近づかないように」と、コーチが教えてくれます。 頭の上に乗っているとき、 自分の足をゾウの耳の後ろにつけてバランスを取るのですが、 確かに機嫌がいいときは、その耳はとても柔らかい。 それが、マハウトにしかられたり、 大好物の竹林から離れなければいけないときなど、 不機嫌になると、 途端にこわばるのがわかる。 これで、ジャングルでゾウと出会ってもきっと大丈夫。 このマハウト体験、ひとりで滞在しているわたしは、 きっと何人かのゲストと一緒に行うものだと思っていたのですが、 驚いたことに、たったひとり。 わたしのためだけに、専任のコーチ、数人のマハウトをアテンドしてくれていたのです。 後に、GMにうかがったところ、 ここでは、それぞれのゲストごとにパーソナルな滞在プログラムが用意され、 組み合わせることは基本的にない、とのこと。 よほど満室で多忙な際は、そういうこともあるけれど、その場合もバーやレストランで 仲良くなったゲスト同士を見極めて選ぶそうです。 これは、本当にゲストの心情を汲み取った気配りです。 特に遠慮がちの日本人の方は、外国人のペースでツアーが進められ、ちょっと損をした気持ちになることも少なくありません。 カタコトの英語でゆっくりした自分たちのペースで楽しめるのはとても大事なこと。 マハウト体験の印象はこれで大きく変わるはずです。 ちなみに、わたしたちが身につけている作務衣のようなコスチュームは、 伝統的なマハウトの衣装。 別に強制的に着させられるわけではなく、 マハウト体験が終われば、みなさん、かなりおしゃれな服装でバーやレストランに登場。 FSにいらっしゃるゲストは、こういうところは実にスマートですね。 そろそろお尻が痛くなってきた。。。 と思う頃に、タイミングよくトレッキングも終了。 この後は、疲れた筋肉のこりをほぐすための たっぷり90分のプライベート・スパトリートメントがセッティングされています。 もう、完璧! フォーシーズンズ テントキャンプでは、ゴールデン・トライアングル・アジアン・エレファント・ファンデーションGTAEFと共に、このマハウト体験プログラムを行っています。 ゾウたちが本来暮らす、ジャングルが開発や伐採などによって減少し、 そのため、バンコクなどの都会で物乞いをしながら暮らすマハウトやゾウは少なくありません。 リゾートではそんなゾウたちの持ち主から彼らを譲り受け、 敷地内にあるキャンプで飼育し、ゲストのためのプログラムに従事してもらい、生活の基盤を与えています。 また、タイの王家と政府によって運営される、タイ・エレファント・コンサーヴェーション・センターTECCへの寄付も受け付けています。 同センターでは、タイ全土にいる不遇な環境で飼育されているゾウや、野生のゾウたちを保護する活動を行い、寄付はそれらの活動に役立てます。 さらに、フォーシーズンズらしいのは、世界的なシューブランドのクリスチャン・ルブタンや、 カリフォルニアの名ワインとのコラボレーション。 特注のクツや、ワインの売り上げを上記の基金に寄付するというもの。 このあたりが、ラグジュアリーブランドたる仕掛けです。 ルブタンのショッキングピンクのサンダルが似合いそうもないわたしは、 リゾートを離れる前に、わずかばかりの募金を。 きちんと日付け、GMの署名の入った、寄付証書をいただきました。 終日、わたしを楽しませてくれたゾウと、マハウトたちへの ささやかな感謝の気持ちと、その先につながることへの願いをこめて。
by naoko_terada
| 2009-04-24 23:21
| ホテル&リゾート
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Comments(2)
直子サマ、以前からココには行きたかったけれど、でもきっと行けないだろうなぁ~と思っていました。
でも、この素晴らしいプログラムを知り俄然、行きたい度が増しました(笑) ぜひ、この地へ赴き、そして募金をしたいと思います。 象さん、かわいいですよね~。 道草食ったりしませんでしたか? 茶目っ気があって優しくて、大好きです^^ しかも、ラクダほど臭くない気がする(笑) お正月のバンコクでは、サパーンタクシンの近くで物乞いのゾウを見かけました。 まだ小さかったと思います。 彼も保護を受け、仲間とともに暮らせるようになってくれたらな・・と思います。
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naoko_terada at 2009-04-26 01:49
ぽちサマ
ゾウ、かわいいですよね。 道草、思いっきり食ってました。 匂いはぜんぜん、ありませんでしたよ。 ここ、確かに高いですが、 全食事、シャンパン、ワインを含むアルコール、マハウト体験、エクスカーション、スパ体験、送迎が付くオールインクルーシブですから、 しっかり食べて飲んで遊べば、 満足度は高いと思いました。
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筆者のプロフィール
寺田直子(てらだなおこ)
トラベルジャーナリスト。旅歴30年。訪れた国は90ヶ国超え。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで紀行文、旅情報などを執筆。独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口には定評あり。日本の観光活性化にも尽力。著書に「ホテルブランド物語」(角川書店)」、「泣くために旅に出よう」(実業之日本社)、「フランスの美しい村を歩く」(東海教育研究所)など。 問い合わせメール happytraveldays@aol.com インスタグラム Happy Travel Days 寺田直子 ツイッター ブログパーツ
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